出版社内容情報
EU離脱による変革をも透視した議会主権政治の今日的意味と先見性。コモン・ローと憲法的慣習等、直面する憲法問題の根幹を再考。EU離脱による変革をも透視した議会主権政治の今日的意味と先見性。コモン・ローと憲法的慣習。通常裁判所の果たしてきた重要な役割。直面する困難な憲法問題の根幹を再考する。これから起こるイギリス憲法改正への基本的資料としても、学生、研究者に有用でわかりやすく、索引も充実して使いやすいテキストでもある。
はしがき
凡 例
第1章 イギリス憲法総説
1 イギリス憲法とは何か(§§11.1-11.5)
2 基本書の紹介(§§12.1-12.9)
3 イギリス憲法史(§§13.1-13.9)
4 21世紀の展望(§§14.1-14.7)
第2章 議会の機能と議会主権の原則
第1節 議会の機能 (§§211.1-214.4)
(1) 政治の監視機能
(2) 政策決定機能
(3) 議会の立法機能
(4) 課税承認権―貴族院に対する庶民院の優位性
第2節 今日の議会の制度改革 (§§221.1-223.4)
(1) ウェストミンスター
(2) 貴族院の改革
(3) 庶民院の改革
第3節 議会主権の原則 (§§231.1-235.6)
(1) 名誉革命の意義
(2) 「議会主権の原則」の確立
(3) オースティンの議会主権論
(4) ブラックストーン=ダイシーの議会主権論
(5) ハートの議会主権論
第4節 議会民主制と議会立法の正当性 (§§241.1-242.3)
(1) 議会主権の原則の動揺
(2) 代議制民主主義と「法の支配」
第3章 法の支配の原理
第1節 法の支配の意味するもの (§§31.1-31.4)
第2節 ダイシー伝統― 3つの意味 (§§321.1-323.2)
(1) 正式の法の優位
(2) 法の前の平等(とくに行政法の不存在)
(3) 通常法の結果としての憲法
第3節 「福祉行政」と「法の支配」 ( §§331.1-332.2)
(1) 裁量行政における恣意性の排除
(2) 司法アクセス
第4節 最高法院法(1981年)の制定と「法の支配」(§§341.1-344.6)
(1) 司法審査の訴え
(2) 自然的正義の原則
(3) 特別裁判所と特別裁判所評議会
(4) 大権令状との関係
第5節 国際レベルの「法の支配」 ( §§351.1-354.2)
(1) 国際連合総会決議
(2) 司法権の独立
(3) 国際社会における「法の支配」
(4) 「国家主権」の観念の相対化
第4章 権力分立と議会立法の正当性
第1節 権力分立の原理―抑制と均衡 (§§411.1-415.5)
(1) 「三権分立」の原理
(2) イギリス憲法の「権力抑止機構」
(3) 各機関の権能に付随する特権(privileges)
(4) 戦争損害法の実例―ビルマ石油事件
(5) ロード・チャンセラーの役割
第2節 立法の態様と立法過程 (§§421.1-423.10)
(1) 法律と規則の区別
(2) 立法の態様
(3) 立法の過程
第3節 立法の正当性と立法の実質的制約 (§§431.1-433.4)
(1) 自然法による制約
(2) 制定法による制約
(3) 国際法による制約
第4節 裁判所による法律の解釈 (§§441.1-442.8)
(1) 法律解釈の方法
(2) 先例拘束性の原理
第5章 コモンウェルス諸国との関係―女王の役割
第1節 「コモンウェルス」とは何か(§§51.1-51.9)
第2節 カ ナ ダ(§§521.1-524.3)
(1) カナダの統治機構
(2) ウェストミンスター法第4 条の解釈
(3) カナダ憲法とイギリス法
(4) ケベック州問題
第3節 オーストラリア(§§531.1-536.4)
(1) 歴史的背景
(2) 連邦憲法の立法権と司法権
(3) トレソーワン判決の憲法上の意義
(4) 高等法院の裁判例
(5) 1986年のオーストラリア法の制定
(6) 国家元首
第4節 ニュージーランド(§§54.1-54.4)
第5節 イ ン ド(§§55.1-55.7)
第6節 ナイジェリア(§§56.1-56.4)
第7節 南アフリカ(§§57.1-57.9)
第8節 その他のコモンウェルス(§§581.1-582.3)
(1) コモンウェルスを構成する諸国(共和国と王国)
(2) 保護領
第6章 ヨーロッパ憲法とイギリス憲法
第1節 ヨーロッパ共同体法(§§611.1-616.8)
(1) ヨーロッパ共同体法制定の歴史的背景
(2) ヨーロッパ共同体の統治機構
(3) 1972年のヨーロッパ共同体法
(4) ヨーロッパ共同体法のイギリス国内での効力
(5) ヨーロッパ裁判所の指導的判例
(6) イギリス裁判所によるヨーロッパ共同体法の解釈
第2節 ヨーロッパ人権規約(§§621.1-623.3)
(1) ヨーロッパ会議の組織
(2) ゴルダー判決と裁判を受ける権利
(3) 1998年の人権法の制定
第3節 ヨーロッパ憲法の制定(§§631.1-632.16)
(1) ヨーロッパ憲法の制定の歴史的背景
(2) ヨーロッパ憲法
第7章 行政法の展開と市民社会の形成
第1節 行政法の展開(§§711.1-714.2)
(1) 歴史的背景
(2) ドノモア委員会およびフランクス委員会による自然的正義の検討
(3) 公務員
(4) 1947年の国王訴追手続法
第2節 地方分権(§§721.1-724.6)
(1) 序 説
(2) スコットランド
(3) ウェールズ
(4) 北アイルランド
第3節 行政政策(§§731.1-734.2)
(1) 貧困者対策
(2) 国民健康保険・労働者災害補償
(3) 教 育
(4) 防衛・公安
第4節 都市計画と土地利用規制(§§741.1-743.2)
(1) 都市計画法
(2) 土地利用規制
(3) ヨーロッパ法の影響
第5節 特別裁判所(§§751.1-751.8)
第6節 オンブズマン(§§76.1-76.4)
第7節 情報公開法(§§77.1-77.6)
第8節 行政行為の司法審査(§§781.1-784.2)
(1) 大権令状による救済
(2) 司法審査の訴え
(3) 委任立法の司法審査
(4) 行政裁量行為の恣意性の排除
第8章 人権と市民的自由
第1節 基本概念の説明(§§81.1-81.9)
第2節 個人の権利と自由(§§821.1-823.4)
(1) 裁判を受ける権利と人権
(2) 表現の自由
(3) 宗教の自由
第3節 警察権能(§§831.1-834.4)
(1) 生命の保護を受ける権利
(2) 捜査手続に関する人権
(3) 裁判を受ける権利
(4) 医療に関係する「生命保護」の諸問題
第4節 経済的権利・団体の利益と平等(§§841.1-845.9)
(1) 財産権
(2) 教育権
(3) 労働者の権利
(4) 社会権
(5) 法の下の平等
第5節 人権侵害に対する救済方法(§§85.1-85.6)
第6節 国際人権とイギリス憲法(§§86.1-86.14)
結 論(§§1-8)
〔付録1〕イギリス憲法典―1998年の人権法
〔付録2〕訳者解題 ダイシー著『憲法序説』
〔付録3〕ルイ・L. ジャッフィ著「法創造者としての英米の裁判官」(1969年)について
索 引
事項・専門用語索引
人名索引
法令索引
判例索引
田島 裕[タジマ ユタカ]
筑波大学名誉教授
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