内容説明
科学を「開く」!科学は頼りになりますが、なんでも解決してくれるわけではありません。ときどき暴走もしてそうです。「科学」を過信せず、しかし科学を活かす社会とは?
目次
第1部 科学の不定性に気づく(科学の卓越性と不定性;科学と防災―地震学を例に;“メタボ”の誕生―医学的診断の社会性;犯罪捜査と科学―DNA型鑑定をめぐる諸課題;科学と裁判;家族概念の科学と民法)
第2部 科学の不定性と向き合う(「科学の不定性」に気づき、向き合うとは;理科教育における不定性の取り扱いの可能性;教養教育への東北大学の挑戦―実験を通して学ぶ科学の営み;法教育における科学リテラシーの展望と課題;学習、コミュニケーション、意思決定のための不定性評価の新手法;科学の不定性と市民参加)
著者等紹介
本堂毅[ホンドウツヨシ]
東北大学大学院理学研究科准教授
平田光司[ヒラタコウジ]
高エネルギー加速器研究機構特別教授
尾内隆之[オナイタカユキ]
流通経済大学法学部准教授
中島貴子[ナカジマタカコ]
立教大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポレ
10
科学の不定性という捉えどころのない概念と社会の関わりをテーマにした小論集。科学の不定性の意味が本をつうじて首尾一貫していない。そのため議論の方向性が定まっていない。著者各位の専門分野も多岐にわたっており、この手の本にありがちな散漫な内容だった。ひとことで表すとモヤッとした概念を扱ったモヤモヤする本。以下、書き留めた内容を列挙する。2018/02/23
k.kishida
3
本書では(日本で理科教育を受けた)私達がなんとなく科学的な結論は間違いのない正しいものだと思い込んでいることが、実はそうではないのだということを様々な事例を通して分かりやすく論じている。現代社会に生活する市民には必読の書だと思うのだが、残念ながら流石の読書メータでも登録数はわずか15に過ぎない。後書きの中で自らを「手術で延命を許されたガン患者」と書かれていた編者のお一人中嶋貴子さんは昨年(2018年)11月に亡くなられました。貴重なお仕事をされていた方なので幾つか論文や著作を読んでみようと思っています。2019/02/17
Rammstein
3
「純粋空間」では正しい科学も、現実世界では不確実なものになるというトランスサイエンス問題に対する自然・社会学的考察。科学というのに全信頼を置くのは愚の骨頂であるが、だからといって科学をないがしろにするのではなく、リスク・不確実性を念頭において付き合っていくのが一番であろうか。/ 現在の理科教育は知識の詰め込みが重視されており、自ら科学実験をしてその不確実性を体験するという機会が失われていると感じた。また、「科学が風評に負けるのは国辱」という言葉は現実社会では不適切な表現であろうか。2018/10/23
takao
1
ふむ2021/08/17
Tatsuo Mizouchi
0
☆☆☆ 我々のような社会学からではなく、当事者としての問題意識からトランス・サイエンス問題に取り組んでいる。2018/04/09