内容説明
古くから歴史の流れの中で形造られ、歴史と現実が奇妙に混在し、物権と債権を峻別せず、実体法と証拠法が相互に関連し、何が法であるか、概念法学の中で過ごした者にとって非常にわかりにくい英国の法体系を、すっきりとまとめるのは、著しく困難である。論理的な人ほど、日本法に慣れ親しんだ人ほど、英国不動産法は、とっつきにくいであろう。さらに、各法律事項が相互に密接に関連していることも、まとめることに大きな支障となる。そこで、本書では、簡単な記述から始め、順次、同一の事柄につき説明を付加する、という循環的・重複的な説明方法をとった。なお、本書は、およそ1990年当時の英国の法状態を取り扱っている。
目次
1 英国不動産法概説(不動産法の背景;英国不動産法の特色)
2 各論(自由保有権;賃借権;ライセンス;地役権;採取権;制約的約定;不動産権契約;譲渡抵当 ほか)