出版社内容情報
能見 善久[ノウミ ヨシヒサ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aochama
5
法の世界で人と物の区別は厳格に分けられていそうですが、古くは奴隷の扱いや最近では、AIや自然環境の取り扱いで悩ましい問題があることをローマ法から遡って説明。高校生向けの講演なので、難しすぎはしないものの専門的な内容でした。普段の勉強では、こういった深掘りはしないので、新鮮でしたね。質疑応答での高校生のレベルの高さに驚きです。相当に優秀な学校での講演だったんでしょうね。2024/02/18
hryk
3
タイトル通り、法学において人と物の区別がどう考えられていたか、ローマ法にさかのぼった解説が半分、AIや自然や動物に法人格を認めるべきかという現代的話題が半分。2022/09/02
ささ
1
「大学の法哲学の授業でこんな話聞いたな〜」とか思いながら読みました。 特にトマス以降のスコラ学に基づく理性主義的な法理解についての話が面白かったです。人(権利能力の主体となるもの)を判別する基準として理性を持ち出した点などはギリシアからずっと根付いているんだなぁと改めて感じる。ギリシアのlogosとローマのRatioがどこでどう結びついて法学に昇華されていったのかが気になる。 また、近年話題のAIと動物の法人格についての議論もあって面白い。あと読みやすかったのもとても嬉しい。2024/04/30