出版社内容情報
「これがバットマンの最後の旅になるかもしれない……」
突如ゴッサムシティに出現した、自身の遺体をなぞるかの如く描かれたチョークラインの謎を追い、クライム・アリーへたどり着いたバットマン。そこで見つけた少年に銃を突き付けられた瞬間――彼はアーカム・アサイラムで拘束されていた。一瞬のうちに月日が流れ、荒廃した世界に困惑するバットマン。彼は失った自身の過去、そして変わり果てた世界の謎を探るために世界を旅することになる。この奇妙な旅路の果てには、いったいどんな結末が待ち受けているのか――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
54
バットマンシリーズ最終章。突然の地球崩壊から20年後の残存人類の姿を描くカタストロフ漫画。生首だけを残し生き残っていたジョーカーを片手に持ち、ブルース・ウェインの救済の手がかりを求める旅立ちの姿がビジュアルとしてシュールで美しい。部分的に他のシリーズを読み込んでおかないと理解に苦しむ人物も登場するのですが、物語の流れは破綻なく展開されるのでラストまで楽しめます。グレッグカプロの描いた絵柄が美麗で、画集としても眼福で面白かったですね。2021/04/29
Kazunori Yuki
3
ジョーカーが愛おしい。わりといろんなキャラクターが出てくるから予備知識がないと何がなんだかわからなくなりそう。2023/12/04
サテヒデオ@ダイナミックひとり
3
謎と旅は物語を牽引する二大要素だ。本作において謎解きの旅に出るバットマン。道連れは誰あろうジョーカーである。バットマンは世界で最も優秀な探偵だ。だからこそ難解な事件と意外な犯人が用意されている。真相へと到る道程は困難で痛ましく、犯人の正体は衝撃的だ。絶望のなかで希望を諦めないのがバットマンという存在だ。何等の特殊能力を持たず、努力と信念によって道を切り拓く人類の象徴。絶望と希望の対比が犯人と探偵のそれにリンクしていて、本作は「バットマンとは?」を物語っているのがわかる。2021/01/26
ビッチュウ
2
非常に面白かった。 バットマンをNEW52!から追いかけ始めた者としては非常に感慨深い一冊だった。世界が滅びヒーローが追いやられ破滅した世界で再誕したブルース。世界の情況を紐解きながら、混沌の中心へと旅立つ物語。バットマンを軸に作者の過去シリーズ総まとめに近い部分もあるのでこれ単体から読むのはオススメしないかな。一方通行ながら相棒なジョーカー好き。少し『キングダムカム』を思い出した。ラストの晴れやかさも似たようなものを感じる。あと、バットマンをお姫様抱っこするクラークという完全なサービスカット、素敵です。2020/09/30
リチャード
2
徹底して「バットマンとは?」という問いに向き合い続けてきた作家コンビによるバットマンの真の最終回。とんでもない物語だった……。2020/09/23