内容説明
『ウォッチメン』の結末から7年後、世界は再び核戦争の危機に直面していた。人類を救うため、オジマンディアスとロールシャッハは、ドクター・マンハッタンを探し求めてDCユニバースへとたどり着く。しかし、DCユニバースもドクター・マンハッタンによる歴史改変の影響で、かつてない危機を迎えていた…。歴史的傑作『ウォッチメン』の正統続編にして、DCユニバースの歴史を揺るがす大作が堂々刊行!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フロム
10
初読の感想は超絶良くできた同人誌と言った感じ。読後の困惑として一番近いのは伊藤計劃を遺稿を円城塔が引き継いで描がかれた「屍者の帝国」。日本で食べる世界のローカルフード的な感じでまとまりはあるけど何かが違う。本作に限って言えばムーア特有の妄執が無いのがポイントなのかなと思う。恐らく2回目、3回目でまた感想が変わってくるのかなとは思うが現代の段階での感想はその程度。しかしDr.マンハッタンのキャラ造詣はちょっと別次元、世界中探してもここまで全能感があるキャラは中々ないな2021/02/01
garth
7
何が残念だって、『ウォッチメン』のスタイルを真似てしまっているところだ。9分割の画面とか、章の最後の引用とか。やっぱりリンデロフがいちばん潔かったな。2021/08/11
vaudou
6
マルチバースを越えて超バース(メタバース)へ。全てを理解して読み進める為にはDCユニバースへの少なくない予備知識を必要とする。ムーア的な難解さではなくもっとファンダム的な方向に捻った感じだが、とまれNEW52までの平行世界の集大成としては然るべきところに落ち着いた感あり。Dr.マンハッタンの孤独に寄り添うという課題はドラマ版「ウォッチメン」と同工異曲。結局作り手には一番魅力的なヴィランに見えるんだろうなぁ。割を食うヒーローがいるのは仕方がないけど、バットマンが迷走しすぎていて、可哀想になってくるな。2021/04/04
fap
5
踊り子さんには手を触れないでください。 鋼の男は世界の中心であり基準であり地平線であった。 マンハッタン博士は第四の壁こそ超えないものの、歴史改変を把握するほどの超越ぶり。 ちょっぴりうっかりで、行く先々で落とし物をすることはご愛嬌。 マルチを超えてメタすら認識できるとは。 それを追認できそうなレックス社長の知性もすごい。 コメディアンは今後この世界で生きていくかと思いきや、走馬灯を見ている間だけの復活だった。 結局のところ世界を救ったのは拳と対話だったあたり、作者が変われば話も変わるのだなと。 2021/01/02
リチャード
5
紛れもなくウォッチメンの続編であり、同時にヒーローと希望への賛歌でもある奇跡のような傑作。DCユニバースとは「希望を指標に、何度でも立ち上がり、より良き未来のために前へ進み続ける者たちの物語」ということが再認識できた。2020/12/19