内容説明
ルーヴルの所蔵品に取り憑いた22体の亡霊たち…彼らがたどった数奇な運命を、BD界の“怪物”エンキ・ビラルが美しいイラストと硬質な文章で描きだす珠玉の一冊。巻末にはルーヴル館内マップ、美術史家・小池寿子氏による美術解説を収録。
著者等紹介
ビラル,エンキ[ビラル,エンキ] [Bilal,Enki]
1951年、旧ユーゴスラヴィアのベオグラードに生まれ、9歳の時に一家でパリに移住する。1972年、『Le Bol maudit』でBD作家デビュー。BD原作者のピエール・クリスタンと組んだ、1979年の『Les Phalanges de l’Ordre Noir』で、一躍人気作家の仲間入りを果たし、以後、SF的なビジュアルと政治的なテーマを融合させた独特の世界観で人気を博す。1987年にはアングレーム国際漫画祭でグランプリを受賞
大西愛子[オオニシアイコ]
1953年生まれ。翻訳家
小池寿子[コイケヒサコ]
1956年生まれ。お茶の水女子大学教育学部卒業。同大学大学院人間文化研究科博士課程満期退学。文化女子大学助教授などを経て、國學院大學文学部教授。西洋美術史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
20
最初見たときジョジョかと思った。あの美術館に立ち込める独特の空気は欲望だと思うけど、時々作者のかすかな声が聞こえる気がする。レンブラントのあの絵は自分も忘れられない。2019/02/23
saladin
3
ルーブルBDプロジェクト・シリーズ中の1冊。ルーヴルの収蔵作品に取り憑いた22体の亡霊たちが辿った運命をイラストと文章で描く。エンキ・ビラルが自ら撮影した22の収蔵作品の写真を転写した上で、亡霊を重ねて描いてイラストに仕上げ、そこに亡霊のエピソードを添えるという手法のため、BDという感じはしない。どちらかというと、イラストよりも亡霊たちのエピソードの方が興味深い。2024/05/17
ひと
1
ルーブルNo.9で購入。ルーブル作品(や建物)に作者をはじめとした関連する人物の亡霊の絵を上書きし、その人物の作品にまつわるエピソードを絡めた生から死までを史実と想像力でストーリー化!モナリザなど、世界中に知られている作品の歴史や価値と自分の想像力を並列で扱っている破壊力が半端ない。BD(マンガ)を芸術化するというルーブルBDプロジェクトの中でも、これは一つの完成形だと思いました。ちなみに、美術館での展示は見え方が本と違って、絵と言葉が離れててあまりよろしくないので本でゆっくり楽しむのが正解だと思います。2017/05/07