内容説明
死んだと思われていたブルース・ウェインが復活し、再びコウモリのコスチュームを身にまとう。だが、現在の彼はバットマンであると同時に、さまざまな脅威から社会を守るために、ゴッサムシティの仲間や世界各地のヒーローを集めて、永遠に続く正義のシンボルの旗を掲げた武装組織「バットマン・インコーポレイテッド」の代表であり出資者でもある。東京、パリ、アルゼンチン、オーストラリア、戦禍に苦しむアフリカの小村、貧困が蔓延しているネイティブ・アメリカンの居留地…闇の騎士のネットワークは世界各地へと広がっていく。悪が隠れる場所はどこにもない。…そう思っていた。だが、戦争の準備をしているのは彼だけではなかったのである。世界を取り囲む“ウロボロスの環”もまたしかり。大いなる獣が目覚め、世界を飲み込もうとする。世界最凶の犯罪者たちが秘密結社リバイアサンへの忠誠を誓い、悪の魔の手は病魔のごとく広がっていく…。今、闇の騎士の戦いが始まる。コウモリが羽ばたけば、リバイアサンがひねり潰そうとする。善と悪。新たな世界戦争の勝者となるのはどちらなのか？
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほしけも
7
世界中にバットマンを！という悪夢のような話。日本が意外と日本っぽかった。HENTAIの国。あとは、学校の話が良かった。2015/05/11
tt23836148
3
面白かった！タイトル通り本作ではブルース・ウェインがバットマン・インコーポレイテッド（株式会社）を設立し、世界中にバットマンとなりうるヒーローを見出し、リクルートするという内容。我らが日本も出てきて、そこには死神男というヴィランも出てくる。その日本編も面白いのだが、ライターのモリソン氏が描く、過去のバットマンから拾ってきたネタを再解釈した様なストーリーもまた面白い。そしてこの時間軸ではディックバッツと、ブルースバッツが同時に存在しているので彼らの共演も見ていて良い。 2022/12/03
F4ふぁんとむ
3
サイバースペース上のバットマンというのは初めて読んだ気がする。2016/10/03
Kazunori Yuki
2
また世界のバットマンがいっぱい出てきて大混乱。グラント・モリソンは風呂敷広げまくるのが好きなのかな。「リバイアサン」の設定は面白いんだけど、登場人物が多すぎて、現在は何を目的に何をしてるのかわからないことが多かった。アメコミ初心者にグラント・モリソンを薦めてくる人があまりいない理由がわかる。2023/10/18
サテヒデオ@ダイナミックひとり
2
グラント・モリソンは垂直方向に物語を深化させることが本領なのだろう。重層的に物語を組み上げることに長けているように感じられる。しかし本作では水平方向に物語を広げたことで、その語り口が散漫になった憾みがある。全体像を描くのに頁数を割けない弊害があって、どうにも消化不良。ただし、アートワークは流石。ヤニック・パケットの濃厚ブルドッグソースが香り高い日本の風景も、「日本と云えばお約束」とばかりに触手プレイ必須の大蛸出現も、異郷のバットマンをうまく演出していて愉しい。そしてJ・H・ウィリアムズ3世のカバーアート！2015/05/09
-
- 和書
- 幻想小説神髄 ちくま文庫
