内容説明
ウェスリー・ギブソンは絶望的な人生を送っていた。将来性のない仕事に神経をすり減らし、恋人は浮気に走り、あらゆる病気の疑いに苛まれていた。ウェスリーにとってこの世界はまさにどん底であったが、彼にはもう一つの世界があった…人生の薄皮を一枚剥いだその向こう側に。もしあなたが真実に目覚め、世の理を目の当たりにしたらどうするだろうか？もしあなたがウェスリー・ギブソンで、世界の底辺で苦境にあえぐ惨めなウスノロから、世界最凶のお尋ね者になったとしたら…。
著者等紹介
ミラー，マーク［ミラー，マーク］ ［Ｍｉｌｌａｒ，Ｍａｒｋ］
ライター。同郷スコットランド出身のライターであるグラント・モリソンと共作した１９９４年の『スワンプシング』シリーズによって、アメリカのコミック業界への進出を果たす。近年では自身のレーベル“ミラー・ワールド”を立ち上げ、複数の出版社にまたがってオリジナル作品を刊行している
ジョーンズ，Ｊ．Ｇ．［ジョーンズ，Ｊ．Ｇ．］ ［Ｊｏｎｅｓ，Ｊ．Ｇ．］
アーティスト。話題作『Ｙ：ザ・ラスト・マン』、ＤＣコミックスの週刊イベント・シリーズ『５２』の表紙を描いたカバー・アーティストとして名高い
中沢俊介［ナカザワシュンスケ］
翻訳家。１９７４年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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garth
4
こういうのが面白かった時期もあったのかと思うんだけど、カート・ビュシークあたりのヒーロー再興ものを経てきたあとだと決定的に古く感じてしまう。2013/07/06
ist
3
スーパーヒーローが滅亡した世界のスーパーパワーを持つヴィランたちの物語。くそったれな日常に唾を吐き、ヴィランの欲望渦巻く世界に乗り込んできた主人公キラー。キラーが強くてとにかく痛快。民衆はただ殺され犯され、略奪されるだけ。でもこれはそこにセンチメンタルになる話じゃないんだ。悪人666人の糞便でできた、シットヘッドとかキモすぎる（笑）どこかで見たヴィランがモブキャラでわらわら出てくるから探す楽しさもある。最後のページの白抜きのおまえとおまえの上司コマには爆笑。ほんと酷いコミックだ（誉め言葉）2014/02/05
orphechin
3
ヒーローコミックの伝統を上手に解体・最利用しながら刺激的な世界観を作り上げるマーク・ミラーの腕は素晴らしい。…そうした紋切り型の褒め言葉はどうでもいいとして、最初から最後まで世の中に中指突き立てっぱなしの主人公には拍手喝采を送りたい。 大方の悪役は大抵どこかで善人ぶろうとして腑抜けた代物になるが、このコミックはそうした中途半端さとはまるきり無縁だ。 この世の中と隣人と自分の置かれた環境が憎くてたまらない人に超おすすめです。2013/07/27
daiyuuki
2
なんといっても型破りなのは、我々が住む世界は、コミックのヴィランがスーパーヒーローを倒して支配しているというマークミラーお得意の逆転の発想に基づいている物で、つくづく原作通りに映画化して欲しかったと思わせる面白さです。ウェズリーがスーパーヴィランになるための修行やプロフェッサーとミスターリクタスの仁義なき抗争の漁夫の利をウェズリーとフォックスがかっさらう展開は、キックアス以上に悪党映画の極悪な痛快さがあって、見逃せない傑作です。2013/07/11
サテヒデオ@ダイナミックひとり
2
映画化作品もブッ飛んでたけど、原作の方がもっとずっとイカれてた！ 抑圧に抑圧を加えて抑圧で煮しめたような日常に厭いた主人公が、ただただリビドーぶちまけて射精するが如き射殺と射殺と大殺戮で大昇天。だって奴はヒーローじゃなくてヴィラン。いやはや、モラル皆無の問題作だよ。2014/08/18
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