内容説明
アクター(生命)としての景観が、人間を通して語る怪異・妖怪の世界。その正体とは?古代の記紀神話、風土記、大祓の祝詞、今昔物語集から近世城下町の怪談集、現代の『攻殻機動隊』、『おくりびと』、『つみきのいえ』、『シン・ゴジラ』までを分析素材にして、古代から現代まで生きつづけたこの日本人の世界観を、ラカンの精神分析学やラトゥールのアクター・ネットワーク理論等による新しい文化・歴史地理学がその謎を解き明かす。
目次
1 名古屋城下町の怪異
2 狂気の景観
3 怪異の見える風景
4 サイボーグの風景
5 城下町のディスクール
6 平安京のディスクール
7 記憶する牛頭天王
8 ミステリアスな身体感覚
9 クールジャパンの風景
10 生命としての景観
著者等紹介
佐々木高弘[ササキタカヒロ]
1959年兵庫県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中退。大阪大学文学部助手、京都学園大学人間文化学部教授、等を経て、京都先端科学大学人文学部歴史文化学科教授。専門は歴史・文化地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わ!
6
「生命の本質が遺伝子を介して伝播する情報だとするなら、社会も文化もまた、膨大な記憶システムに他ならないし、都市が巨大な外部記憶装置ってわけだ。」…というのは、押井守監督作品「イノセンス」の中のバトーのセリフなのですが、まさにこの概念で場所と怪異の関係を解き明かしてゆく本となっています。押井守作品は度々引用されます。著者は文化地理学の先生ですが、本文の中には、ラカン、フロイト、ニーチェだのが度々引用されています。私の理解が至っていないからかもしれませんが、もう少し単純な表現方法へ変換出来る様な気がしました。2024/08/28
ekura
0
副題・彼はなぜここで妖怪を見たのか 怪異・妖怪伝承を最新の人文地理学の知見を織り交ぜて考察する。2019/08/14