内容説明
1960年代以降、日本と韓国におけるインディペンデント映画の配給構造がいかに形成されてきたかを、政府の文化政策及び産業構造・映画運動の三つの大きな視点から分析する。また従来の映像・作家研究ではなく、インディペンデント映画を支えた様々な映画運動の実践(制作・配給・上映)の複雑な様相を解明する新しい映画文化史研究である。
目次
第1章 序論(問題提起;研究課題及び先行研究の検討;研究対象及び本書の構成)
第2章 日本におけるインディペンデント映画配給の始まり―1950‐60年代を中心に(映画産業のメカニズムとATGの誕生;インディペンデント映画の配給主体および観客の形成;1960年代文化政策とインディペンデント映画配給)
第3章 多様化と柔軟化時代のインディペンデント映画(1970年代メジャー映画産業の構造変化;インディペンデント映画配給の多様化時代;日本映画政策の大手中心主義)
第4章 韓国におけるインディペンデント映画の展開(1960年代以後韓国映画政策の展開;韓国映画産業の構造変化;韓国におけるインディペンデント映画運動の展開;韓国映画政策における「多様性」への注目とインディペンデント映画)
第5章 日韓の産業・政策構造とインディペンデント映画(市場の優位、国家の優位、そして映画政策の運用;抵抗としての民族映画と民主映画;正当化されたインディペンデント映画、市場化されたインディペンデント映画;2000年代以後日韓におけるインディペンデント映画の配給)
著者等紹介
鄭仁善[チョンインソン]
韓国釜山生まれ。梨花女子大学社会学専攻卒業、ソウル大学社会科学大学院社会学専攻修士、2015年東京大学大学院人文社会系研究科文化資源専攻博士課程修了。博士(文化資源学)。現在、韓国映画振興委員会客員研究員として、『映画産業の公正性に関する映画関係者の認識調査』『多様性映画の地域上映活性化方案』など多数の研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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