内容説明
先に『テクスト世界の解釈学』でリクール哲学を解釈学的現象学の視点から捉えた著者は、カントの「人間学」に導かれて、「過ちやすい人」、「罪ある人」、「行動し、受苦する人」、「能力ある人」など様々な人間存在の限りない可能性を追究し続けたリクールの思索の軌跡を、新たに「哲学的人間学」の視点から描き出した力作である(書き下ろし)。
目次
第1部 人間、この過ちやすきもの(意志の現象学―「ひとえに人間的な自由」;意志の経験論―「人間は生来脆く過ちやすい」;悪の象徴論―「アダムにおいてすべての人が罪を犯した」;悪の神話―「はじめに神話があった」)
第2部 物語的自己同一性(解釈学としての精神分析;解釈学の言語論的転回;テクストと生の循環)
第3部 「能力ある人」の人間学(自己の解釈学をめざして;自己性と他者性の弁証法;「能力ある人」の主題;表象から再認の行程;自己の再認から相互承認へ)
著者等紹介
久米博[クメヒロシ]
1932年生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。1967年ストラスブール大学プロテスタント神学部大学院修了。同大学宗教学博士。桐朋学園大学教授、立正大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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