内容説明
台湾文学史上、きわめて重要な作家、陳映真―厳しい弾圧の時代を生き抜き、八年にわたる獄中生活を送ったのちも旺盛な文筆活動を展開、台湾に住む底辺の人々の悲劇や、多国籍企業の実態とそこに働く人々の心情、白色テロの犠牲者たちなどを描いた衝撃的な作品をつぎつぎと世に問うた。その全貌(小説+散文)を紹介した本邦初の単独文集。
目次
小説(麺屋台;私の弟康雄;将軍族;夜行貨物列車;鈴〓花(すずのはな)
趙南棟
忠孝公園)
散文(鞭と灯;祖先の祠堂;裏道―陳映真の創作歴程;湧き出る孤独―敬愛する姚一葦先生;魯迅と私―日本の「文明浅説」クラスでの講話;宿命的な寂〓(ばく)―戴國〓(き)先生を悼む)
著者等紹介
陳映真[チンエイシン]
現代中国語文学世界における重要な作家、思想家。本名は陳永善、別のペンネームとして許南村がある。台北県鴬歌鎮の人。1937年台湾竹南に生まれ、淡江文理学院外文系を卒業する。中学の英語教師、また多国籍企業の社員として働いたこともあった。1959年に第一作目の小説『麺攤(麺屋台)』を発表、1968年「マルクス・レーニン共産主義、魯迅など左翼の書籍、及び共産党宣言などを読む読書グループを組織した」といった罪名により逮捕され、緑島に送られるも、1975年には特赦により釈放される
間ふさ子[アイダフサコ]
2005年九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程退学。現在、福岡大学人文学部東アジア地域言語学科教授。専攻は中国文学
丸川哲史[マルカワテツシ]
1963年和歌山市生まれ。2002年一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。現在、明治大学政治経済学部/教養デザイン研究科教授。専攻は東アジアの思想・文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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