内容説明
2008年秋の世界金融恐慌とは何だったのか。アメリカの軍事・経済両面における覇権の崩壊は世界をどう変えるのか。二世紀にわたって世界を席巻した産業技術経済システムの命運を検証しながら、折から襲った大災厄の後に、ありうべき社会の“復興”の原理を問う。
目次
1 経済学は何をしてきたのか―経済‐産業技術システムの興隆と破綻
2 ウォール・クラッシュのさなかに(講演&シンポジウム ウォール・クラッシュのさなかに―金子勝氏を迎えて)
3 “経済”を審問する(講演主旨 反・功利主義と贈与のパラダイム;ラウンド・テーブル “経済”を審問する―MAUSSとともに;アラン・カイエ関連論文1 運命に抗して―『経済を“消費”する』序文;アラン・カイエ関連論文2 カール・ポラニーの現代性―『ポラニー論集』へのあとがき)
著者等紹介
西谷修[ニシタニオサム]
1950年生まれ。専攻・フランス文学・思想。東京都立大学フランス文学科修士課程修了。現在・東京外国語大学大学院総合国際学研究院先端研究部門教授
金子勝[カネコマサル]
1952年東京生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専攻・財政学、制度経済学、地方財政論。現在・慶應義塾大学経済学部教授
カイエ,アラン[カイエ,アラン][Caill´e,Alain]
1944年パリ生まれ。社会学・経済学博士。レイモン・アロンの下で計画経済イデオロギーに関する論文を書き(1967年)、クロード・ルフォールの助手となる。1981年に「社会科学における反功利主義運動(MAUSS)」を組織、以後、近代経済学とそれを支える功利主義のラジカルな批判を展開。社会科学に浸透する経済学モデルに対抗して、反功利主義的科学のあり方を多分野の研究者たちとともに模索し実践してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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