内容説明
二〇世紀アメリカのモダニズム詩を創造した四人の詩人たちの詩法・美学・文化論・世界観を、モダンの文学がはらむ危機的な問題意識との関わりから概観する。戦争、恐慌、移民、ファシズムに動揺する時代に詩的言語のラディカルな革新を企てることで応答したかれらの詩精神の諸相を解明するモダニズム読本。
目次
序論 モダニズム/ポストモダニズム、アナロジー/イロニー
エズラ・パウンド(パウンドの詩と批評;歴史の渦にのみこまれた詩人―パウンドの神話・歴史・錯誤 ほか)
T.S.エリオット(エリオットの詩と批評;卑俗さと力―スウィーニー詩篇とその後 ほか)
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ(ウィリアムズの詩と批評;ウィリアムズの牧歌 ほか)
ウォレス・スティーヴンズ(スティーヴンズの詩と批評;虚構と社会―一九三〇年代のスティーヴンズ ほか)
結語 そのころと、そのあと
著者等紹介
富山英俊[トミヤマヒデトシ]
1956年東京都生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科英文学専攻博士課程中退。現在、明治学院大学文学部教授
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感想・レビュー
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Kumiko Fujiwara
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虚構と社会ー1930年代のスティーヴンズ 実業家と詩人の二重生活が彼の詩作品に様々な屈折を経て投影された。 「フーンの宮殿」は外部世界から独立した自律的空間にしようとする、彼の詩の傾向を端的に示している。『ハーモニアム』(詩集)もまた、現実世界から遮断されたかなごとき、憂いなき言葉と形象の躍動する、想像力豊かな詩世界を提示しているように見える。 しかしStevensの虚構の世界は、常に社会性を排した、閉じた空間なのではない。 彼の詩には強い社会意識が隠されている。2019/07/17
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