内容説明
外国人排斥、反ユダヤ主義の復活などヨーロッパは今、改めて「法」や「国家」の理念が厳しく問われている。本書は著者自らの体験を深く掘り下げるなかで、新しくモンテスキューを捉え直し、「異質なもの=他者」を排除しないポリフォニックな共同体の創造を強く呼びかける。
目次
第1部 ネーションとは何か
(なぜ?;アルレム・デジールへの公開状;ネーションと〈ことば〉;『サムライたち』のこと)
第2部 あるがままに―幻想の未来(精神分析とポリス;サルトルを語る;東欧の新しい動き;回想)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュリ(村上)
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クリステヴァの単著は初めて読んだ。フランス特有(ですよね)のエセー調の論考が続く。当時の政治•社会状況や思想界の動向を知らないとうまく意味を取ることができない。そしてもちろん精神分析の素養も必要だろう。自分などはもう精神分析に係る部分は表面だけ読むこととしています…。第一部の、『民族精神ではなくモンテスキューのいう一般精神こそ選び取られるべきものである』ということをクリステヴァは書いていた、ぐらいのことを覚えて、本書を閉じることにした(一応最後まで読みましたよ…)。2020/12/15