散文の理論

散文の理論

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  • サイズ B6判/ページ数 478,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784796701822
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C1098

内容説明

詩的言語への深い考察から見慣れた事物を〈非日常化・異化〉する方法が芸術の方法だとする画期的な視点から文学作品の構造や表現方法を緻密に分析し、文学の内的法則の確立をめざしたロシア・フォルマリズムの代表作。

目次

方法としての芸術
主題構成の方法と文体の一般的方法との関係
短篇小説と長篇小説の構造
『ドン・キホーテ』はいかにつくられたか
秘密をもった短篇小説
秘密をもった長篇小説
パロディの長篇小説
『主題』をはなれた文学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

有沢翔治@文芸同人誌配布中

6
 シクロフスキーはロシア・フォルマリズムの中心メンバーで異化理論の提唱者である。詩的言語と散文とでは本質的に何が違うのか、この問い掛けの中で異化の概念が出てくる。そして「手法としての芸術」でこの理論が展開されるのである。他、スターンや『ドン・キホーテ』の構成についても論じている。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51525508.html2022/07/27

T. Tokunaga

3
「主題も主題を展開するプロットも、韻と同じような形式なのである」(p112) という思想は、文学的テクストの読者にとって、耐えうるものであろうか。ここで耐えうる論拠として現れるのが、対照や、挿話による入れ子構造の安定化 (p209) といったテクストの自由であるが、これらはダール・ラーセンによるモンティ・パイソンとシェイクスピアの比較研究によって、文学的テクストの自由とは限らないことを明らかにされており、またコナン・ドイルにおける描写の不在というのも、例えば「ボスコム渓谷の惨劇」から簡単に反論できる。2024/12/27

子音はC 母音はA

3
「手法としての芸術」言葉というものが自動化、節約化して、効率的に伝達させ認知させるための手段である一方、その反抗として言葉というものが定義づけられたものでなく、常に曲線的に長々と続けうるもので人間の手に所有されないものであると述べる。その手法として異化を発見する。異化の手法/モノをその名前で名指さず、はじめてみられたかのように描写し、また出来事を、はじめて起こったかのごとくに描き出すことにある。さらに、モノの描写に際して、事物の部分の一般に認められる名を用いずに、別の対応部分の名を用いてその事物を名指す。2014/07/26

Z

2
また読み返したが、やはり、ロシアフォルマリズムって違うんじゃないか。物語ることとは、どういうことか?っていうことを(私が勝手に解釈すると)考えて、作品(展開、筋の統一)、作者(動機付け)の二つの観点から整理するのだが、視線が19世紀の小説までじゃないか。例えばフレーゲは、意味と意義を区別して、意味は直示的な対象を前提として、小説ナドフィクションを意義の中に入れたりしたが、そっちを深めたほうが、豊かな考察になるんじゃないか。ロシアフォルマリズムだと、ここのものがあり、それが作者が、ある事態をどのように変換す2014/08/15

たまかなや

1
芸術の意義が知覚作用の非日常化の過程にあることを論証し、ロシア・フォルマリズムのマニフェストとなった「方法としての芸術」、芸術における非日常化の過程を具体的に分析し、種々の修辞的方法を抽出した「短編小説と長編小説の構造」、シャーロック・ホームズの中に短編小説の基本的構造を見出す「秘密をもった短編小説」、トリストラム・シャンディが駆使する停滞のメカニズムを長編小説の典型の一つと指摘する「パロディの長編小説」など、20世紀文学批評の先駆的業績を収めた佳品。2013/09/06

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