内容説明
本書は、アメリカ人ジャーナリストと作家Ｓという、いわばコンピュータとＤＮＡの時代のブヴァールとペキュシェの対話からなる現代のロマネスク小説である。それはソルレス自身の自伝的要素が随所に散りばめられているというだけでなく、作家がそれとともに自らの生を生きているような、いまこれを書きつつある者がその内部にあって現実の日々を送っているような小説的小説、つまり『天国』の作家による「新生」の試みなのである。
感想・レビュー
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ソングライン
11
パリに暮らすアメリカ人の主人公は今「女たち」というタイトルの小説をパリ、イタリア、ニューヨーク、イスラエルを旅行しつつ執筆しています。彼の傍らにはケイト、フローラ、シド、政府の高官女性プレジデント、そして妻デボラが寄り添い彼との交わりをもっています。そして彼の友人として時に登場する作家Sは著者の様です。世界は死だ、そして彼女たちが死をもたらすのだと唱え、この不条理な世界を女たちと共に漂う長編を何とか読み切りました。2024/08/17
