内容説明
宇佐見警視は銃声の聞こえた方へ走りだす。田口らが後を追うと、最新縦型ＭＲＩ・コロンブスエッグの中には目から血を流す死体があった。そして傍には、拳銃を握った高階病院長が倒れていた―。銃弾の種類と手の硝煙反応から、警察は高階病院長を現行犯逮捕する。高階の無罪を信じる白鳥・田口は、７２時間以内に犯人の仕掛ける完全無欠のトリックを暴くことができるのか！？―。
著者等紹介
海堂尊［カイドウタケル］
１９６１年、千葉県生まれ。医学博士。第４回『このミステリーがすごい！』大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』にて２００６年デビュー。『死因不明社会』（講談社）で第３回科学ジャーナリスト賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
171
上巻読んだときは、テレビシリーズを観る前に読むべきだったと思ったが、トリックや結果を知っていても、白鳥と宇佐見警視との対決は結構楽しく読めた。上巻は、海堂さんの主張ばかりのシリーズ前作の『イノセント・ゲリラの祝祭』のように、会議シーンが多くて面白くなかったが、下巻になってテンポが出てきて断然面白くなった。でも残念なのは、テレビシリーズでは出てこなかった桜宮小百合がひと暴れするのかと期待していたが、今回はシリーズ完結編『ケルベロスの肖像』での伏線だったと思って、姫宮といっしょに完結編での大暴れを期待したい。2012/07/04
雪風のねこ@(=´ω`=)
132
むむむ…。MRIの技術的特徴を活かしたトリックは中々面白い。（だが、塩ビ管の口径は想像できるけれど、その口径の塩ビ管では束にでもしない限り遺体の重さを支えきれまい）電脳紙芝居や肝心な所は司法のブラックボックスで有耶無耶にされてしまうのでは、少しがっかりな点である。シリーズを通して読めばまた違ってくるのだろうけれど。バチスタを読んでみたくなった。犯人の動機はやはり弱い気がするけれど、例え些細と思われる目的であっても、職務に殉じさせようとする体制が怖いよね。2018/06/03
とら
123
”本格ジャンルの先行諸作に合流させてみても、見劣りのない一級品であることがわかる”━by島田荘司。まさにこれだ。本格ミステリでした！ジェネラル・ルージュより面白かったかもしれない。そしてチーム・バチスタよりもミステリ的に凄かったかも。つまり、最高傑作！（ということをジェネラル・ルージュの感想でも言っていたがご了承を（笑））というか、普通の本格ミステリよりもキャラに愛着がある分、こっちの方がより良かった。シリーズに慣れてきたころにこれ持ってくるんだもんなあ。流石です。でも、次で最終章！読み終わりたくない！2012/12/23
眠たい治療家
110
画像診断ユニットの方から鳴り響いた銃声。宇佐見警視が突入し、田口医師達が駆けつけると、縦型MRIの室内には銃で撃たれた死体。そして拳銃を握った収賄容疑渦中の病院長が倒れていた。（下）からは予想外に本格ミステリの様相を呈してきて、それが（上）で随所に伏線が張られた事に気がつく。MRIの専門知識や室内描写、キャラ達の会話に秘められ伏線は見事。嫌われ者の白鳥のロジックと推理、働きに好感を持ってしまった。犯行動機面であまり腑に落ちないところはあったが、しっかりと本格モノといえる良作。解説はミステリ作家・島田荘司。2012/08/01
まゆちん
107
２つめの事件発生。キラーラビットの態度が上下巻で明らかに違うとこら辺に不自然さを感じつつ、高階院長の収賄・殺人疑惑と戦うAIセンター組は田口センセの行燈ぶりと、白鳥のいろんな意味でのモンスターっぷり、そしてメインキャラクターの大集合で冤罪に立ち向かう。このシリーズは司法と医療の対決がメインだと解釈しているけど、今回は直接対決の一つと言う訳ですね。いろんな人が暗躍も見られるけど、表面化しないまま終わっているのが気味悪い。けどこれも今後の楽しみということですね。。。でもエンタメ性バツグンで面白かったです。2014/05/05
