宝島社文庫<br> 堕ちる

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宝島社文庫
堕ちる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784796698153
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

郊外の一戸建てに住む主婦、純代は、夫の脩一と一人娘の佳乃と共に、平凡ながらも幸せな毎日を過ごしていた。ある日、パートのシフトカットを受けて、家の不用品をオークションに出そうと考えた純代は、スーツケースのなかから見知らぬセーラー服を見つける。パート先で聞いた制服泥棒の話が頭に浮かび、純代は夫への疑念を抱くが―。主婦の転落人生を圧倒的なリアリティで描いた、傑作サスペンス小説。

著者等紹介

林由美子[ハヤシユミコ]
1972年愛知県生まれ。化粧品販売会社に入社後、結婚を機に退職。2007年、『化粧坂(けわいざか)』で第3回「日本ラブストーリー大賞」の審査員特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんたろー

170
読友さんのレビューに惹かれて林由美子さん初読み。平凡な主婦が主役の現実感強いサスペンスなので、状況や情景が手に取るように伝わってきて下手なホラーより恐ろしい。暗くて深い落とし穴が、獲物を狙うワニのように口を開けて待っていて、チョッと足を踏み外すと堕ちて、地獄の底まで呑み込まれてしまう…そんな想像をさせる話だった。日本ラヴストーリー大賞シリーズだが、本作をラヴストーリーと銘打つのは「逆説的で皮肉だなぁ」と思った。主人公の気持ちは判るが、男としては怖くて後味も悪いので、他作品に手が伸びないのも正直なところ。2017/08/07

🐾Yoko Omoto🐾

161
パート勤めに日々の家事、住宅ローンや中学進学を控えた娘の教育費など何かと物要りな家計の遣り繰り、それらに無頓着な夫への不満。そんなよくある問題を抱えながらも、それなりに平凡な生活を送る主婦の転落人生がリアルに描かれた沼サスペンス。人は堕ち始めるとあっという間だ。追い込まれ感覚が麻痺すると危険な楽観が生まれ、それは選択や見切り時を全て誤らせる。だが間違ってこそすれ、彼女はただ家族を守りたかっただけなのだ。そこが本当に辛い。主人公と一緒に堕ちていくようなシンクロ感から予想外の衝撃のラストまで大満足の一冊。➡続2017/07/30

いつでも母さん

149
上手い、巧すぎる。ごくごく普通の主婦のささくれた部分を言葉にするのが自然過ぎて怖いわ、林由美子!坂道を転がるように堕ちていく純代にどこか重なるところは無かったかい?どこかで気付いてよ、そしたらブレーキがかかってやり直せたかもしれないのに・・夫婦だから?親子だから?家族だから?あんた、誰に期待してんの?何を期待してんの?それで残ったからって、真実は違うよね。私は知っている。だから、あんただけが堕ちて行けー2017/09/12

nobby

134
夫と小学生の娘と暮らす平凡なパート主婦の、タイトルそのまま『堕ちる』様が生々しく描かれる。ある日何気なく抱いた夫への破廉恥な疑念からの先行きが気になり一気読み!その転がり落ちていく様は胡散臭い誘いばかりで、堕落する毎に「あーあ」「いやいや…」「そうだろね…」の言葉と溜め息漏れるばかり。“魔がさす”をそのまま実証していくが、当初は怪しんでいる所に現実味が増している。夫が多大な原因であることに身を引き締めながらも、全て娘を思っての結果であることが切ない…タダでは終わらぬ驚愕な最後も嫌いではない。2017/08/06

ウッディ

127
平凡な主婦純代は、夫の脩一と娘の佳乃との3人暮らし。一戸建てのローンと娘の塾の費用を捻出するため、パートに出、日々の節約に務め、忙しくも幸せな日々を過ごしていた。そんな中、家族のために使ったキャッシングの支払いが重なり、夫の異常な趣味への疑いも発覚し、小さな幸せを守ろうとした事から始まる転落が、加速していき、引き返せない所まで堕ちる。転落する恐怖を描いたホラーで、日々の生活のディテールや会話が丁寧に描かれ、リアリティがあり、本当に怖かった。それでも、読むのをやめられない面白いさでした。意外なラストも秀逸!2017/10/14

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