内容説明
第9回『このミス』大賞受賞作品。植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。
著者等紹介
乾緑郎[イヌイロクロウ]
1971年、東京都生まれ。劇作家・鍼灸師。『完全なる首長竜の日』で2011年第9回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。同年、『忍び外伝』(朝日新聞出版)で第2回朝日時代小説大賞も受賞し、新人賞二冠を達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
548
面白そうなタイトルに魅かれて購入。「このミステリーがすごい!」2011年度大賞受賞作。荘子の「胡蝶の夢」をキー・コードに物語は展開していくが、通常のミステリーとは大きくその趣を異にする。ここでは「何が現実か」、「真実とは、いったい何なのか」が問われているのである。エンディングもなかなか気がきいているし、タイトルの首長竜のイメージも美しい。2012/02/14
takaC
344
恥ずかしながらこんな本があったなんて知らなんだ。いや〜、「カイ・・・カン」。(星泉風に)2015/01/09
射手座の天使あきちゃん
256
植物人間状態の人とのセンシング(機械を介しての脳レベルでの会話)なんて医学的にはどこまでが現実なの!? って先ずは設定にグイグイ引き込まれるけど・・・ う~ん、最後のオチも途中で読めるしねぇ うまく言えないけど、エッシャーの騙し絵を見た後のような不思議感と「もやもや感」が残りましたね <(^_^; 2012/05/03
mae.dat
229
詳述は避けますが、導入した設定が戴けないよ(´๑•_•๑)。首長竜はプレシオサウルスだった。でもね、話の核なのかなぁ。何度か話に出て来るけど、マスコット的に添えてあるだけって感じだったよ。プレシオサウルスだけじゃ無くってね、多くのエピソードがリフレインする様に繰り返し出てくるの。これを解説では、寄せ木細工と喩えていると思うのですが、それが作者の工夫なのかと想像する次第です。ザッピングは楽しかった。ルネ・マグリットの『光の帝国』知れてありがとうです。この本読んでね、円広志の『夢想花』を思いましたよ(謎)。2022/06/17
mariya926
152
2011年の『このミステリーがすごい』大賞受賞作だったので知りませんでしたが(まだ読書を始めてませんでした)読みやすく面白かったです。自殺未遂をした弟の中に入った漫画作家の主人公。しかし弟はその中でも自殺を繰り返す。現実の中でも色々と上手くいかない中で、家族旅行最後に行った島に行くと…。まったく思い浮かばなかったラストでした。確かにこのミステリーは凄いですね。しかも難しい内容で、まだデビューもしていなかったのに読みやすいというのが一番評価できました。2021/05/18