内容説明
「亜紀ちゃんの話を、聞かせてください」10年前に起きた、少女をめぐる忌わしい事件。児童相談所の元所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言を集める男の正体とは…。哀しくも恐ろしい結末が待ち受ける!2011年『このミス』大賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
佐藤青南[サトウセイナン]
1975年、長崎県生まれ。東京都在住。熊本大学法学部を除籍後、上京してミュージシャンに。宅地建物取引主任者資格所有。『羽根と鎖』で第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞(単行本に際して『ある少女にまつわる殺人の告白』に改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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風眠
163
「亜紀ちゃん」とは、はたして何だったのだろうか・・・。10年前におきた少女虐待にまつわる殺人事件、当時の関係者へのインタビュー形式で物語は進んでいく。人間の記憶は、主観で簡単に書き換えられてしまう曖昧なものであるが、その曖昧さがかえってリアルで薄ら寒い印象だった。記憶、感情、良心、それが立場によっては悪意ともとられてしまうことが悲しく寂しい。ラスト、大人になった亜紀ちゃんの言葉を読んで、作者が意図した「亜紀ちゃん」という存在とは何だったのだろうかと考えさせられる。人の心の動きを問う物語であったと思う。2012/02/20
ちょこまーぶる
146
一人が児童虐待の加害者が現れただけで、周りの人々の人生が崩壊していく様子が恐怖すら感じた。そして、虐待を受けている子どもの屈折させられた心理状態も緻密に表現されていたようにも思える。多くの読者が感じたかもしれないが、後半の展開は驚きで、加害者を殺してしまって服役している幼馴染が出所してきてからこの物語はどのように展開していくのだろうかと考えるだけで、再び起こりうる惨劇を想像せざる得なかった。なぜ、優秀賞?2012/08/16
takaC
143
そこはかとなくブラック。いや、そこはかとなくということもないか。2017/07/17
ダイ@2019.11.2~一時休止
109
デビュー作。湊かなえっぽい話の進め方。エンマシリーズ等を先に読んでいたので作風の違いにビックリ。2014/03/21
yanae
109
このミスの優秀賞受賞作品。このミスはアタリが多いので読んでみました。ある少女にまつわるインタビューを受ける様々な人の語り口調でかかれてます。個人的にはそういう書き方好きです。湊かなえの告白みたいな感じ。 テーマは「虐待」。ミステリーとしては本当に想像つかないラスト。インタビュアーは君だったのか!!!っていう驚きもあります。ただいかんせんテーマがテーマなので元気がある時に読みましょう…。はぁ…。面白いんだけど…面白いんだけど…やるせない。せつない。元気がないときに読んだので余計にどんよりです。でもウマイ!2012/09/07