内容説明
かつてハンセン病を患い、55年間隔離生活を送っていた健三郎が、家族のもとに現われた。戸惑う孫の大翔に、健三郎は墓参りの付添いを頼む。それは健三郎の子を産んで死んでしまった恋人・百合子の墓のはずだった。だが、そこに彼女の名はない。病に引き裂かれてもなお55年間思い続けた恋人。百合子は生きているのか?会えるものなら、ふたたび会いたい。健三郎は大翔と、百合子をさがす旅に出る―。第5回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞作。
著者等紹介
矢城潤一[ヤギジュンイチ]
大学を卒業後、フリーの助監督となり、北野武、原田眞人、長崎俊一など個性的な監督の現場で経験を積む。自己資金で映画『ある探偵の憂鬱』を監督。以降、様々な映像作品に関わりながら、テレビドラマや映画の脚本も手がけるようになる。2009年度に『ふたたび―swing me again』で第5回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BlueBerry
47
日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞。映画化されたとゆーことで手に取った次第。時を越えた愛とゆーことなのかな。重いテーマだったけれど基本的には飽きずに楽しく読めました。ラストは「う~ん・・」かな。サラッとしすぎて感動がイマイチだったと思う。工夫次第ではかなり感動させられる作品だと思ったのでちょっと残念。序盤○中盤○ラスト△2014/04/24
名古屋ケムンパス
34
引きこもりの高校生の大翔と元恋人からストーカー行為を受ける「ゴミ子」との儚い恋物語を思い描いていました。いえ、実のところ期待していました。しかし、実は55年間も家族との関係を絶ち、入所生活を続けていた大翔の祖父健三郎と祖母百合子の純愛物語です。二人とそして周囲の人と関係まで引き裂いたらい予防法が理不尽で恨めしくてなりません。愛を貫いた祖父母の想いは、沖縄の地の温もりを伴いながら、余りにも切なくて美しい調べを奏でるのです。2018/09/03
Pure
33
第5回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞作ということで期待して手に取りました。一言で言えば、今一。引きこもり、ハンセン病、ストーカー等色んな要素を詰め込んでストーリーを組み立てていますが、どれもこれも扱いが中途半端。エピソードも深みがなく残念。泣かせよう泣かせようとしているのですが、天の邪鬼の私は感動も涙もなく読み終わってしまいました。あくまでも、個人的な感想です。2016/05/30
のほほん@灯れ松明の火
16
とってもスッキリとした読後感でした。55年間も想い続けて、そして自分を責め続けてきたのだから、最期には間に合ってほしかった、せめて お互い少しずつでも会話をかわせてたらなぁ。。。 ゴミ子 とってもイイ子です! 映画化されるそうですが、見たいなぁ!と思わせてくれるお話しでした。 2010/08/09
陽
14
俺も満員電車に乗ると、苦しくパニックになる時がある。 閉所恐怖症だと思うが、今まではなんとか我慢してきた。 おじいさんの健三郎との出会いは幸運だった。 真実が開かされるときには自分の道が開ける時だ。 百合子おばあさん、切なすぎる、人ってどこでどう変わるかわからない、人生って、不公平にできているんだよ。 運が良いやつを羨ましく思うのは当然の気持ちだ、しかし、運の良い人も含めて、自分の人生に不満を持つのはすべての人が思うこと、人って自分より不幸に人には目をそらす汚いものなんだ。2017/11/13