内容説明
私たちは、自らを主張することに忙しくて、「聴く」ことの大切さを忘れています。学校でも「聴き方」は教えてくれません。しかし、現代人の15人に1人がうつに陥る傾向があるなど、心の荒廃が大きな社会問題になっている現在、求められるのは、人の話を聴く力です。話すことより聴くことなのです。豊かな人間関係を築くためにも、この本で「聴く」技術を身につけましょう。
目次
「聴く」知性がいま現代人に求められている
「聴く」ことで人を癒す心のケアの専門職・精神対話士
ただ「聞く」のではなく、心で「聴く」ことが大事
対話には、「理解」よりも「共感」が必要
気持ちが受け止められたとき、話し手は十分な満足を得る
共感と「プラスの言葉」が生きる希望を生みだす
話し相手の斜め前か、思い切って横に座る
おおらかな気分で話を聴く
話し手の不安を解消して、「共感」を呼ぶ相づちの打ち方
「安易な理解」を示すと、話し手の信頼を失う〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
22
カール・ロジャース式(?)、93年に立ち上げられた精神対話士/メンタルケア協会による対話術。◉14章_隠れた感情を代弁する。30章_いきなり〈なぜ?〉と尋ねない。53章_声のトーン・目線・目の高さを合わせる。56章_要約して迷走を助ける。60章_不満を受けとめる。61章_希望のタネをまく。ただし「希望の火は他人が押しつけてもすぐに消えます」63章_聴き手のセルフケア(身体を動かすのが効果的)。「対話というのは、相手を助けるためではなく、自分の心をより高い次元に導くための高度な精神活動にほかなりません」2024/04/15
Skywalker
3
あいての話しを理解することより、あいての感情を理解することが大切。2012/11/11
北六
3
自分の態度を改善するために何度か読み返していますが,毎回「あ,これができていないなぁ」と思わされます.辛そうな人には辛い気持ちを外に出してもらい,自信の持てない人の不安な気持ちを受け止められる,そういう者に私はなりたい.2010/12/18
ヤマモト譲二
2
話してる内容よりも、それを話そうとした感情を汲むことが大事であると説いている。論理よりも感情。親しい人が人との距離感をつかめなくなってしまったときに専門家でないわれわれでもできる、実践的な方法が提示されていて何回か読んでみようという気持ちになった。2011/09/17
tac♠︎co
1
精神対話士という仕事はすごい仕事だ。言葉を聞くと何やら宗教めいたあやしさを感じるけども、とにかくクライアントの全てを受け入れる。全てに共感する。そして間接的に、クライアント自身が正しい判断ができるように導く。これは言うほど簡単なことではないはず。深刻な悩み苦しみを抱える知人にどう対応していいものか3年以上考えていたが、まず全てに共感してあげようと思う。『対話は、自分の心をより高い次元に導くための高度な精神活動』だそうです。がんばってみよう‼2013/01/06