内容説明
アントニオ猪木の引退後、団体史上最大の暗黒期に突入した新日本プロレス。専門誌編集長として、その壮絶な内幕を目の当たりにした著者が、長き迷走の「真実」を鮮やかに描き切る。大仁田の参戦、運命の橋本vs小川、そして格闘技との禁断の交戦―我が子に手をかけようとする猪木に選手たちは何を思い、どう行動したのか。新たなエピソードによって補完された新日本の「混沌の10年」を読み解くGKの絶対代表作。
目次
第1章 「邪道」の流儀
第2章 惨劇―橋本vs小川の真実1
第3章 濁流―橋本vs小川の真実2
第4章 プロレス喰い
第5章 「飛び級」志願 野獣・藤田の実像
第6章 「強さ」を追う者 石澤常光の心象風景
第7章 ヒクソンの亡霊
著者等紹介
金沢克彦[カナザワカツヒコ]
1961年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、1986年新大阪新聞社に入社、「週刊ファイト」記者となる。1989年、日本スポーツ出版社に入社し「週刊ゴング」編集部入り。新日本プロレス担当記者として頭角を現わす。1999年「週刊ゴング」編集長に就任。マット界の主力選手と公私にわたりつきあうことで業界随一の情報網を築き、また新日本プロレスの現場監督、長州力に最も近い記者としても知られた。2004年日本スポーツ出版社の経営陣交替を機に編集長を辞任、2005年に同社を退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヨーイチ
43
1990年代頃の新日本プロレスの状況を2000年代にまとめたもの。プロレスに興味が無い人々には「なんのこっちゃ?」って話ではある。今から思うと「紙プロレス」と呼ばれたルポ、レポートが花盛りであった。小生の私見を言えば、日本のプロレスは漫画と同じで「極めて異常でユニークな発達を遂げた存在である。」とだけ言っておこう。ここら辺の事情を誰か真面目に論評、分析してくれないものか、と思っている。今となっては、なんの役にも立たない記録、記憶なのだが、つい読んでしまうんだなあ。2018/12/12
0607xxx
11
副題の猪木と新日本プロレスの10年戦争とあるように90年代後半から00年前半の新日本プロレスは衝撃的な事件が多かった。大仁田参戦や橋本対小川、プロレスラーの総合参戦などリアルタイムで見ていたので懐かしくもあり、読み応えがありました。2016/04/29
ほしけも
4
有田と週刊プロレスとでちょうどこの当たりの話をしていたので。プロレスというものを当の選手や団体、ファン達がわからなくなっていた時代だったんですね2017/02/21
jackal
4
週刊ゴングの元編集長である金沢氏の新日本プロレスの真実に迫った良書。金沢氏だからこそかける内部事情がてんこ盛りで90年後半〜00年前半の新日を追っていたファンだったら楽しめることまちがいなし。私は2000年後半から新日ファンになり過去を追っていったくちですが、それでも楽しめました。特に橋下小川の章は興味深く、その後のプロレスを変えてしまった事件について深く切り込んでいる。必読。やはりプロレスは人間同士のドラマなんだなぁと改めて思った次第。2012/08/18
jaiose
4
これまで読んだプロレスの暴露本とは異なり、読み応えがありました。アントニオ猪木と小川直也に対して元から良い印象はなかったですが、この本を読んでますます嫌になりました。2012/05/13