内容説明
「帝都東京」は戦前の読み名ではない。戦後60年を経たいまでも、東京は帝都なのだ。明治初年の東幸、帝国憲法発布と天皇儀礼の創出、関東大震災後の復興、そして敗戦から現在にいたるまで、東京には「帝」=ミカドが刻み込まれてきた。歴史学者、民俗学者、工業デザイナー、建築史研究家など各界の第一人者がそのベールをひとつひとつ明らかにしていく。いままでにない東京探検だ。
目次
プロローグ 帝都誕生前夜(帝都誕生へのプレリュード 東京はいつ、どのようにして首都となったのか?)
第1部 聖空間の出現―ミカドの都(聖空間1・皇居 町なかの京都御所から、「神聖不可侵」の宮城へ!;聖空間2・明治神宮/神宮外苑 最新技術を駆使した明治大帝のモニュメント ほか)
第2部 歴史発見!帝都の演出装置(演出装置1・花電車 花電車は帝のプロパガンダ装置だった!;演出装置2・遊覧バス 「はとバス」観光コースに組み込まれた帝都の記憶 ほか)
第3部 軍都東京大元帥の都(帝都の軍事施設戸山ケ原 都の西北に生きつづける帝国陸軍の伝説;帝都遺跡・「軍事編」 探訪!帝都防衛に挫折した軍事遺跡)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
6
祝・2020東京五輪。東京の街には3つの顔がある。江戸風情の東京、帝都としての東京、そして現代の東京。太平洋戦争の敗戦までの80年間にわたり東京は"帝都"であった。この本は、眠れる帝都の記憶を探る企画本。もっとも帝都らしい雰囲気をもつのが、明治神宮と神宮外苑。明治神宮には、日本全国のみならず外地である樺太・朝鮮・台湾からの献木により造られた帝国の森。神宮外苑は、明治天皇の偉業を記念するメモリアル・センター。明治神宮と神宮外苑は、和と洋、陰と陽、荘厳と開放、求心と拡散、といった具合に対照的に造られている。 2013/09/08
ma-no
0
リアル「帝都物語」。幕末から昭和初期にかけての東京を、伝奇的な視点から描写するコラム集です。新書より安いのがいい。2009/05/27