内容説明
小阪修平がこの『イラスト西洋哲学史』でやろうとしたこと。それはまず第一に、哲学者たちの思考から枝葉をとりはらい、核心のみをとりあげることだった。その「核心」は、ギリシア以来綿々とつながっている「世界と自分」についての考え方だ。そして、小阪はその「核心」を、私たちが生きている現在に向かって積み重ねてみせてくれた。読み進めば進むほど、息苦しくなるほどおもしろいのは、きっとそういう方法のせいだろう。
目次
第5章 デカルトと明晰な精神(中世の闇から精霊を追放した近代の光の中で、私たちは生きている;近代の幕開けとガリレオ;自然を単純化した延長という思想;明晰判明な精神とはなにか?;機械じかけの身体とこころ)
第6章 大陸合理論とイギリス経験論(デカルトの明晰さは、まさにその源泉である二元論から翳りはじめる;スピノザとライプニッツ;ロックとヒューム)
第7章 カントの批判哲学(カント哲学における矛盾は、近代という時代そのものの逆説である;認識における先天的なものと物自体;眼にみえぬものをもとめる理性の二律背反;理想をもとめる実践に人間の自由がある)
第8章 ドイツ観念論とヘーゲル(カントが遺した近代的人間の分裂した姿を、ドイツ観念論はどう救おうとしたか;フィヒテとシェリング;弁証法と歴史;絶対精神と世界精神;社会の弁証法)
第9章 マルクス主義と実存主義(ヘーゲル以降の哲学は、ことばによる円環の外に出ていく;精神の歴史から現実の歴史へ;解決されない現在と個別的な私)
著者等紹介
小阪修平[コサカシュウヘイ]
1947年生まれ。東京大学中退。在野の哲学者として活躍し、多くの著作を残したが、2007年に惜しくも逝去。『イラスト西洋哲学史』が処女作
ひさうちみきお[ヒサウチミキオ]
1951年生まれ。マンガ家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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