内容説明
死後の世界…。いままで誰1人として、行ったら戻れなかった世界。様々な理由から、そこに行かなくてはならなくなった亡者たちの嗚咽が、今日も葬儀の最中に聞こえてくる…。それは果たして“恨み”なのか。それとも何かを訴える“メッセージ”なのか。悲しくも切ない物語が、今日も葬儀屋の耳に木霊する。いま、あなたの背後に何が佇んでいるのか!この本を手にした時、真実の30話が見えてくる。
目次
第1章 病院編(開かれた霊界の扉;霊安室に響く「通りゃんせ」 ほか)
第2章 お寺・葬儀会場編(無人寺に響く鈴の音;時を超えて主を守る落武者 ほか)
第3章 マンション・住宅編(自殺した少女からのメッセージ;嫉妬する地縛霊 ほか)
第4章 事故編(青年の遺体に残った謎の手形;踏み切り事故に潜む呪縛 ほか)
第5章 正しいお祓いの仕方(編集部がおびえた数々の現象)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
135
葬儀屋さんが主役の幽霊噺集とあって故人に対する真摯な心遣い真心が感じられるこの種の本の中でも文句なしに完璧な素晴らしい良書でしたね。病院、お寺・葬儀会場、マンション・住宅、事故の4章構成で30話どれもが震える恐ろしさで自分の身に降りかからなくて良かったなと真剣に思う悲惨な話が目白押しですね。墓場に悪戯をした若者に祟る落ち武者の霊。不運にも結婚目前に交通事故死した新婦の霊が四年後新たに結婚した新郎夫婦を自動車の衝突事故の手段で殺す話。ご先祖様の御神体を祀ったお社の立つ土地を売り飛ばした強欲な男の凄惨な最期。2020/03/15
J7(読メ低浮上中)
40
とある古本屋で購入。コンビニのムック本の如き出で立ちだけど、なかなかに中身の入った30の怪談が楽しめた。まず、まえがきから監修者の、霊や怪異であっても、そこに現世での人と人との絆や縁を見出す、葬儀関係者らしい厳かな理念を感じさせる文章に、他の怪談本と一種異なる独特の心構えを促される。特にお祓いを担当したという住職の、芦田氏が述べる“興味本位ではなく、そこに魂のメッセージを感じ、生きるということを考えてみてほしい”という言葉には、普段怪談を娯楽として楽しむ自分のような人間には、少々刺さる言葉だったな。2017/08/08
瑪瑙(サードニックス)
26
葬儀屋さんの体験談だけあってリアルに感じられました。亡くなられた方に対する真摯な気持ちや対応に好感が持てました。そして決して人を怨んだり怨まれたりすることのないように生きていきたいと思いました。2021/12/05
はむズ
2
『葬儀屋』というのは余り関係なかったようです。 『葬儀屋が見聞きした怖い話』というのが正しい内容。なので、看護師や知り合いに聞いた怖い話のオンパレード。 元葬儀屋として、葬儀屋あるあるの怖い話を聞きたかったです。2023/08/02
ake7🍀 積読本まだまだ消化中
2
積読本消化。周りでも、不思議な話というものは意外とあるものだが、供養の大切さを改めて感じた。あとがきを読むに、30話中に創作のものはないのだろうと。ところで今は、いわゆる黄泉の国の存在が薄くなっていると聞いたことがある。地縛霊などの気の毒な存在も、光に還っていることを願う。2021/12/14