内容説明
実花、高校3年生。パパとママの死をきっかけに、ふたりがそろって日雇いのフリーターだったことが判明。遺産はゼロ、住んでいた家も失くし、憧れていた専門学校への進学も帳消し。絶望のふちに立った実花を、さらに絶望させる最悪の出来事、それは大嫌いな叔母さんに引き取られることだった。叔母さんは、オシャレで美しかったママの妹のくせに、地味で無愛想で変わり者…。嫌で嫌で仕方なく始まった叔母さんとの共同生活だった。けれど、そこにはパパとママとの生活にはなかった、力強くて温かい、確かな幸せの感触があったのだった。日本ラブストーリー大賞シリーズ。
著者等紹介
さとうさくら[サトウサクラ]
1979年8月24日生まれ。2006年、『スイッチ』で第1回日本ラブストーリー大賞審査員絶賛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
23
両親に対して持っていた尊敬や憧れが少しずつ剥がれ落ちていくところが切なかった。大嫌いだったおばさんと徐々に心が沿っていく過程もとても良い。友人・紗絵ちゃんのキャラクター、特に女の屈折した感じや、それでも最後に会いに来るあたりがさとうさんならではの感じで好ましい。でも良いところがいっぱいあるのに、凄く勿体ない印象。あれもこれもと詰め込み過ぎてしまったために全体がぼやけてしまったのが惜しい。なかなか面白い視点の作家さんなので、成長を期待します。続→2010/07/03
にこ
15
おしゃれなパパとママの本当の姿にびっくりしましたが、登場人物みんながそれぞれに変わっていて面白かったです。姪っ子に全然媚びないおばさんも素敵でした。2014/04/05
あい
13
人は見かけによらない。中身が一番大切なんだなぁ。それにしても大地はいい奴なんだか悪い奴なんだか...2013/04/18
まど
11
「メルヘンクラブ」がよかったので読んでみた。ヘンテコな人を描くのが上手。ヘンテコなまま終わらなくて、読後感もよい。やっぱりこの作家さんを『私のお気に入り』に追加です。新しい作品が楽しみ。2010/07/26
ららぴぴ
10
帯を読んで「西の魔女が死んだ」のおばあちゃんとの暮らしの話かと思って手に取ったけど、ちょっと違う。おばさんと暮らした事で実花は確かに少し変わったけど、それでもまだ両親のように浮ついている感じは否めない。なぜだろう。姪を引き取り最終的に姉の義理の父を引き取るなんてかなり懐の深い女性で、おばさん目線からだったらどんな物語だろうと気になった。2016/06/20