内容説明
20××年、東京・上海を舞台に繰り広げられる大人の純愛!歳も国籍も立場も、何もかもがまるで違う2人の愛が共鳴し合ったとき、それは音もなく壊れ始めた…真紅が、ふと立ち寄ったジュエリーショップで出会った男“王剣”。まるで運命の糸に導かれるように、真紅は男の影を追い上海へと旅立つ。そしてたどりついた洋館、緑葉西路に佇む「#9」。そこから真紅の運命の日々が始まった…。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
作家、キュレーター、関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館(MoMA)勤務を経て、2002年独立。フリーランスのキュレーターとして、国内外の展覧会、シンポジウム、アートコーディネートを手がける。2003年より、カルチャーライターとして執筆活動開始。2006年、初めて書いた小説『カフーを待ちわびて』で第一回日本ラブストーリー大賞を受賞。niftyのココログ小説で、ブログ小説『いつかブライアント・パークで』を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
105
#9(ナンバーナイン)。ちょっと感じが違う原田マハ作品のようですが、やはり一気読み良かったですね。2019/02/15
chikara
90
夢中で読みました! 良かった! いつもの大涙は無かったけど素晴らしい作品です。 真紅が逃がした魚のリングで願い事が叶って欲しい。♯9が幸せになって欲しいと願うばかりです。 マハさんに益々ハマりますネ♪2014/04/24
ユザキ部長
78
みっつのリングケースを空けた奇跡。シンデレラストーリー。残念ながら王様は強烈な支配者だった。運命の河に身を委ねてる様にみえるが、生き方が左右する。美術品を見る目は形のない感性、知識、照合、創造力が必要。これほどの奇跡は画家の父親の血だけじゃないと思った。2014/12/10
yanae
68
マハさん3作目。個人的にはすごく好きな本でした。テーマは美術。美術作品に魅せられた主人公が運命的な出会いを通じて、中国で美術品集めをすることに。 お金も権力も持つ王剣に魅かれながら、傷つけられ、そんな中でのナンバー9との出会い。短い期間の出来事がとっても濃密に描かれていて圧倒されました。 中国で得たすてきなものが最後につながっているんだなと、爽快な気分になりました。個人的には大好きな本です。2013/05/08
エンブレムT
65
「何かでいっぱいに混雑する心を抱えて、私は薄氷の上を渡るように生きてきた」そう語る彼女のギリギリな感じに、一気に物語の中へ引き込まれました。望むもの全てを手に入れていく一人の男と出会うことによって拓かれていった彼女の人生。けれど、マイフェアレディ物語としてではなく、人生は続いていく。『#9』を心に住まわせたまま。・・・原田マハさん、初読みです。この作品は、物語としては軸がブレていくような居心地の悪さがあったのだけれど、リリカルでいて読みやすい文章がとても好みでした。他の作品も読んでみようと思います。2012/11/06