内容説明
夢の中でなら、好きな人と会い放題ですよ…。そんな誘い文句につられ、マナベはメルヘンクラブに入会した。部員は大学生5人と社会人のマナベ、計6人。活動場所はうす暗い書庫。目的はただ一つ、かなわない夢を、夢の中で叶えること。マナベは、タケヲに会いたい一心で夢を見る練習をしはじめた―。
著者等紹介
さとうさくら[サトウサクラ]
1979年8月24日生まれ。2006年、『スイッチ』で第一回日本ラブストーリー大賞審査員絶賛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まど
6
最初は表紙もマナベも不気味で、久しぶりにギブかも…と思って読んだけれど、少しずつ登場人物たちのキモさの中に共感できる部分が出てくると面白くなってきて一気読み。ゆったりとした雰囲気も好みだった。結末はさわやか。独特の面白さ。他の作品も読んでみたい。2010/05/11
a m
4
可愛い表紙に惹かれました。学校にメルヘンクラブがあったら是非入ってみたいなと思いました。でもそれは、やっぱり現実逃避しているみたいで、周りには不審に思われたりで、自分自身が寂しく感じたり…見たい夢の味方なども物語り通り順序立てていくと見れそうです。タケオとの恋は叶わなかったけど新たな恋の進展ができ、ほっとしました。2014/06/12
愛玉子
3
今時の若さ全開(無気力・中途半端・いつまでも反抗期)で読むのが辛い。『スウィートアウント』はまだ読めたのだが。同世代なら共感できるのか?私が二十代前半のころは何を読んでいただろうかと考えて、同世代の作家がそもそもいなくて当然年上(時には既に亡くなっている)の方の作品しか読んでこなかったという結果に落ち着いた。そう考えると、綿矢りさ前後で読書体験が大きく変わりそう…なんて、どうでもいい考察ですが。ところでこの題名、ずっと「メンヘルクラブ」だと勘違いしていたが、それでも大体合ってます。2009/11/14
ナユタ
3
なんか人間の切なさみたいなものを書かせたら上手いなぁと思った。序盤はなんでマナベがタケヲにそこまで執着しているのか分からず読みにくかったのだが、マナベに周りとの関係性がでてきてからは比較的読みやすくなったかな。2009/08/02
はちみつレモン
2
良い意味でけだるい現実の不愉快な重さ、みたいなのがあった。女の子が言う「めんどくさい」とか、マザコンの母親の咀嚼音、当人がいないところで言う女の子特有の悪口、そして夢で満たされようとするメルヘンクラブの面々… とにかく、マザコンとその母親と食事をするくだりの気持ち悪さはすごかった。小説を読みながら吐き気を催したのははじめて。つまり、それだけ現実味を帯びた素晴らしい話でした。だめなひとばかり出てくる、でも最後には愛しくなる。不快感から解放された瞬間の快感が気持ちのいい話です。2012/03/07
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