内容説明
ここでいうサイコは、字義どおりの「精神病者」ではなく、社会的な意味での「サイコ」を指し示している。いわゆる「あいつ変だ」「いっちゃってる」といった比喩で語られがちな人たちのことである。本書では、そうしたサイコな人びとの心の歪みについて身近な現場でのフィールドワークを試みている。
目次
1 サブリミナルからの「遊体X」!(悪魔のような精神科医;『囚人狂時代』外伝―塀の中の発狂する面々 ほか)
2 2001年依存の旅(シャブよりほかに神はなし!;未遂男三人衆―カウンセリングより自殺ですっきり!! ほか)
3 パラノイア観光(マルチ商法の人びと―金のなる木と誇大妄想;発見―発明王さん、あなたに神のお恵みを ほか)
4 暴走海峡ミステリーツアー(宅八郎インタビュー 復讐山脈!!)
5 人権サイコパス!(大江光カルトあるいは『フォレスト・ガンプ』症候群の猖獗―聖なる白痴の零落;精神医療のパラドックス―人格障害に「クスリ」は効かない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
15
腫れ物扱いで「狂気」の一言で済まされその実態を直接知らされることのない我らの隣人、サイコな人たち。本書は実際に狂っている人から狂人に絡まれた体験記、それ自体が基地外じみたルポルタージュなど多くのサイコさんの生の姿を収めた記念碑的な一冊で、執筆者も巻頭の筒井康隆インタビューを筆頭に若かりし頃の平山夢明のチバレイインタビュー、山本弘、蛭子能収、村崎百郎など豪華そのもの。キワモノであることを恐れず「人権」という建前に一切配慮しないがゆえに漂う濃密なリアリティは、かえって基地外と言われる人々への理解を深めてくれる2016/12/08
削りくず
1
ただ狂った人を取り上げるだけでなく、背景にある社会の問題まで言及してるところが感心できる本だった。医療刑務所とか酷い精神病院の話はまるで別世界のようで、現代日本の現実とは思えない。パラノイア観光の章が面白かった。植物と話したり、お告げを受けて発明をしたり(正真正銘の発明)、スピリチュアルな世界って出鱈目だけじゃなかったのかと衝撃だった。宇宙戦争も面白かった。第6十字軍の指揮を執ってる、お前はM62星雲から来たスパイだから命を狙われてる、今日は放射能を浴び過ぎたから早くシャワーで落としたい…なんか楽しそう2017/02/08
sabato
1
1999年の本か。。著者の村崎百郎氏や平山夢明氏、山本弘氏とか高校時代よく読み、私の精神世界を支えてくれていたライターさんだわwww別冊宝島だもんな、これwあゝこんな本最近ないね。。吉永嘉明氏の「アル中は2度死ぬ」とか見沢知廉氏の章なんかもうまじめに勉強になるww、うーん、あと、医者のジレンマを書いた「強制入院の未来を語る」なんか制度的には古いが歴史としては知り学ぶ点は多い。今度の講義の参考文献としてこの本を項目としてあげようかと思ったが・・・あかんよな。。2012/11/17
RapalaF9
0
一番のサイコさんは執筆者というオチ
GAKU
0
隣のサイコさんと同じ内容でした。2014/05/27