内容説明
写ったのは本物か否か?明治の写真師が、日本初の「心霊写真」を撮影した歴史的瞬間から、疑惑のカットが全国規模で大騒動を巻き起こした戦後、そして家庭用ビデオに「幽霊」が発見された現代まで…ニッポン人は、写真や映像の中に、いかにして「幽霊」を発見してきたのか?「怪奇探偵」として名高い筆者が、徹底リサーチによって、異端の「心霊事件史」を炙り出す不朽の名著。
目次
序章 幕末日本に「心霊写真」はあったか
第1章 日本最古の「心霊写真」
第2章 明治の日本と「心霊写真」
第3章 「幽霊写真」VS「念写」
第4章 「心霊+写真」の成立
第5章 エロ・グロ・心霊
第6章 「心霊写真」のポスト・モダン
第7章 亡者たちの宴の始末
終章 世紀末の「心霊ビデオ」
補章 新世紀の「心霊写真」
著者等紹介
小池壮彦[コイケタケヒコ]
1963年東京都生まれ。フジテレビ系『奇跡体験!アンビリバボー』の怪奇探偵として知られる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこや
1
とんでも本ではなく、非常に真面目な社会学の本だった。心霊写真という言葉が生まれ、定着するまでの経緯や心霊写真という言葉の定義に多くのページが割かれていて、いかに外来語を日本語に変換させる時に葛藤やこだわりがあったかがよくわかる。 どちらかというと、インチキくささを娯楽として楽しむ傾向のある私にとっては、作者の「たかが心霊写真」というスタンスは、あまりにも寛容性がないように感じた。2016/07/31
久守洋
1
心霊写真が捏造されたものであるなどということは100年前から自明なのであって、今さら鬼の首をとったかのようにそれを主張することほど愚かなことはない。心霊写真であれテレビ番組であれ、したり顔で梯子外しをしたがる人々は自分たちが無知であることを証明してしまっているのではないか。ところで本書は、浅羽通明を論拠としている点などに弱さを感じることはあるものの、心霊写真研究への真摯な姿勢が表れていて好著である。2010/12/03
タペ
0
資料として素晴らしい 心霊写真の歴史2020/08/08