内容説明
山と出会ってから、山は故郷のようなものになっていた。ところが最近は、山に行っても“開放”されなくなってきた。いま「山で起きていること」、それは「予想以上にひどかった」といわざるを得ない。高山地帯から数百メートルの森まで、日本の多様な山岳地帯の問題をほぼ網羅することができたと自負している。山の実態を知り、21世紀のこの国の山のあり方を考える参考になれば幸いである。
目次
第1章 名山に忍び寄る病(北海道・夕張岳 今、高山植物が危ない!―「罪意識なき山岳犯罪」の実態を追う;早池峰山 観光のまちづくりの大誤算―山岳道路が招いた弊害;立山 死に向かう山―大観光地化構想につながる点と線;北アルプス・穂高岳 山小屋のトイレ事情―その最前線を歩く)
第2章 危機に立つ山岳渓流(黒部 偽りの清流―下ノ廊下・電源要塞地帯を歩く;北アルプス 砂防ダムが山岳渓流を死滅させる!―知られざる環境破壊現場を行く;上高地 神々の楽園・上高地がなくなる日―梓川のケショウヤナギの危機が語るもの)
第3章 世界遺産登録は、山岳保護の切り札か?(白神山地 山は誰のものか?―入山規制で始まる登山文化の崩壊;沖縄・やんばるの森 世界遺産を目指すゲリラ部隊の訓練場―やんばるの森と住民のこれから;屋久島 世界遺産登録五年目の現在―洋上アルプスは世界に誇れるか?)
第4章 知られざる山岳開発の実態(日高山脈 見捨てられた最後の原始境―山脈横断道路建設の犯罪性;朝日‐飯豊連峰 ブナの楽園を破壊する林野庁最大の愚行―大規模林道の実態・山形県小国町・金目川流域開発現場から;朝日連峰のブナ帯 大規模林道反対運動―“ブナ帯からの反撃”を振り返る)
著者等紹介
石川徹也[イシカワテツヤ]
1963年生まれ。早稲田大学卒業後、新聞記者に
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