内容説明
“戦争写真家”ロバート・キャパは、戦争のさなかに、そして束の間の平和の時期に、世界の子どもたちを撮りつづけていた。戦争を止めさせ、平和を維持させるものがあるとすれば、それはキャパが撮った子どもたちの写真だ―死後40年経って発見された膨大な写真の中から、弟のコーネル・キャパと伝記作家のリチャード・ウェーランが選んだ珠玉の122枚。日本版オリジナル制作写真集、待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
9
戦争と平和と子供たち。キャパのライフワークの結晶。子供達の表情はその時の気持ちを映し出す鏡そのもの。子供の瞳に一瞬浮かんだ、不安、驚き、喜び、好奇心、切なさといった感情が見事に定着されていて、永遠に強いメッセージを放つ力強い写真になっている。信じられないことに、キャパの写真はトリミング不要だという。平和への信念とカメラマンとしての芸術的才能の融合が生み出した写真集。キャパが亡くなる数時間前に撮影した、装甲車とベトナムの子供たちの写真を見るのは切なかった。2013/07/03
ののまる
7
戦争と子ども。いまもガザやあちこちで。子どもの笑顔に助けられ,締め付けられる思い。2025/05/26
れい
5
【図書館】解説はあえて読まないことにした。解説を読むことによって、頭で理解することを避けたかった。心で見つめたかった。子どもには未来がある。例え戦時下であったとしても、何らかの希望のカケラが見える。キャパの伝えたかったものはわからないけれど、人類の光の側面を集めた写真集のように感じた。2024/09/26
桜もち 太郎
3
キャパ生誕100周年ということで手にしてみました。チャーミングなキャパらしい優しい写真も多く掲載されていました。2013/05/29
ユコリロ
2
キャパの写真を見ていると、なぜだかその写真を撮っているキャパの顔が、思い浮かんできます。まるで自分が撮ったかのように錯覚してしまう、被写体との距離の近さが好きです。