内容説明
天空に聳え立つ白い「槍」。その姿に魅せられて厳冬の北アルプスへ登った三人の男たちが行方不明に。猛吹雪の中、彼らはどこに消えたのか。聞き集めた他パーティの証言から三人の軌跡を追い、推理を重ねていく山仲間と家族は、苦悩のうちに、やがて大きな謎に直面する…三人は最も危険な“冬の沢”を下ったのか?…ミステリアスな「事実」を積み重ねて真実を追う感動のヒューマン・ドキュメント。
目次
序章
第1章 消えた三人
第2章 難解なパズル
第3章 槍への道
第4章 北アルプス証言地図
第5章 赤いヤッケが笑った
第6章 男たちの残像
第7章 常念入山
第8章 一ノ沢遡行
第9章 沢動く
第10章 雪渓の下に
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えんちゃん
56
山登る人にとって心臓が凍るタイトル。『!』が付いてるので爽快な山物語だと思ったけどずっしり重かった。1986年厳冬の北アルプスで遭難した3人の男たちの行方は。槍か常念か、はたまた冬季厳禁の一の沢か。遺された登山仲間たちが当日の目撃情報や証言そして性格を吟味し彼らの軌跡を辿ってゆく。何とか見つかって欲しい…の一心で頁を捲った。山はこんなにも恐ろしく、山はこんなにも美しい。山への畏怖と憧憬がたっぷり詰め込まれた壮大なドキュメント。読み応えのあり。2024/11/19
ゆかるりら
3
1986年の暮れ、中房温泉から槍ヶ岳の縦走に出たのらくろ岳友会の3人。予備日を過ぎても下山せず、捜索が開始された。3人はどこにいるのか?のらくろ岳友会の人々の捜索の仕方がとても興味深かった。3人はなぜあのルートを通ったかは3人にしか分からないんだろうな。2023/05/11
おーくら
2
遭難者捜索の記録。仲間の捜索しながら山に登る喜びを再確認してるように見えた。見つけて終わりじゃないというのがすごい。2018/06/29
mari
1
7/10点2023/11/26
小心
0
沢を下ってはいけないんですね。それを熟知していた山男たちが沢を下る選択をしたのは何かよっぽどの事情があったのだと思われます。「雪崩の巣」レポートが採用されなかったのが残念です。真冬にどうして登るの・・・と素人の私は思ってしまいます。山の荒々しさと神々しさが人を惹きつけるのはなんとなくわかります。2018/06/24