内容説明
天下統一を目前にして倒れた信長は、その政治的手腕とともに合戦における天才的能力を称揚されてきた。しかし、信長研究の最良の史料といわれる太田牛一の『信長公記』をたどっていくと、信長の戦術・戦略は極めてオーソドックスなものであった。その上“常識”とされてきた桶狭間での奇襲戦、長篠での鉄砲三千挺・三段撃ちまでが怪しくなってくる。こうしたことが何故おきたのか?今日の信長・戦国合戦像をつくりあげた意外な事実を解明する意欲作。
目次
序章 太田牛一と『信長公記』
第1章 桶狭間合戦―迂回・奇襲作戦の虚実
第2章 美濃攻め―墨俣一夜城は実在したか
第3章 姉川合戦―誰が主力決戦を望んだのか
第4章 長嶋一揆攻め―合戦のルール
第5章 長篠合戦―鉄砲“新戦術”への挑戦
第6章 石山本願寺攻め―「鉄甲船」建造の舞台裏
終章 本能寺の変―謀叛への底流