内容説明
戦争写真家のキャパなんか大っきらいさ。もう戦争なんかたくさんだ、僕らは毎日遊べる平和が好きなんだ―。子どもたちとともにキャパの声が聞こえてくるフォト・メッセージ。戦争のさなかに、束の間の平和の時期に、キャパが撮りつづけた世界の子どもたち。未発表写真を含む珠玉の122枚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
8
沢木耕太郎さんの著作からロバート・キャパ氏に興味を持つ。図書館にて何度も「ちょっとピンぼけ」(氏の自伝)の前を素通りしている(タローさんの評伝は読んだ)。ここ最近写真集の棚をじっとにらむこと多く本書を発見。目線を合わせていない子どもの無表情な顔は雄弁であることを知った。また戦場で撮られた写真が多く、大人びた表情でもあることが哀しい。戦車の大砲にまたがって鼻をほじっている少年のスナップは有名なのだろうか。きっと有名なのだろう。2017/12/09
nutts
7
世界中が、「運動」と「騒乱」と「戦争」を行き来した時代。どんな風景にも、子どもの姿はあった。動乱の下では、たとえ遊んでいる姿であっても、子どもたちの表情のどこかに警戒の色があり、全体がバリバリと強張っているようだ。その全く対極にあるような、1954年の日本。平和であるということは、空気そのものが滑らかなんだなぁ。パブロ・ピカソの親馬鹿っぷりというのも、なかなか見れない一枚かも。妻と息子、息子の肖像画を収めたCapaの遊び心は好きだ。2011/05/17
スリカータ
2
銃弾を浴びて穴だらけになった壁の痛々しさ。それを背景にして笑う子供の逞しさに救われる。ピカソの息子に驚いた。どう見ても孫にしか見えない。ピカソも逞しかったのだ。1954年のニッポンも良かった。2012/11/18
-
- 和書
- 織田政権と本能寺の変