内容説明
フォトグラファーとモデルは、共謀して互いの妄想を視覚化していく。リサ・ライオンの至上の肉体が,若きメイプルソープのイマジネーションによって、激しく変貌する。肉体を讃美し、モダン・アートを逆行させようと試みる、世紀末の寓話に満ちた危険な写真の数々―。禁断の写真集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
王子
10
リサ・ライオンの鍛えぬかれた美しい肉体に真っ先に魅了される。その肉体はさまざまな性的な境界を飛び越えながら力強く彷徨い、われわれに向かって問いかけているかのようだ。しかしそれは男性性と女性性の完全超克ではなく、男性的な筋肉美を兼ね備えながらもまぎれもなく女性的であり、そしてまた、自身を彫刻的に縁取ることでポルノグラフィックなイメージを免れかろうじてアートの領域にふみとどまっているというような危うさをも感じさせる。思うにそのことが、一連の作品の力強さを増大させてもいるのだが。2017/09/12
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