内容説明
解放軍青年将校が村に残した若い妻に抱く性的妄想と、この妻と村の青年との不倫を描く問題作「金髪の赤ちゃん」をはじめとする、“中国のガルシア・マルケス”といわれる莫言の魅力を余すところなく伝える待望の短篇集遂に刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
11
最初の「秋の水」から、もうハマった。壮大なサーガ的世界を感じさせる幻想的背景に土着的情念が炸裂し、放心状態のまま読了してしまう。登場人物たちの傷や血液に、中国社会が周縁として放逐し再侵食し、抑圧してきたものが宿って異義を申し立てているかのよう。「片手」はランボー的な帰還兵の疎外を描いたものだが、最後にそれも特権化せずに宙吊りにしただただ過酷な農村の現実を暗示している。「金髪の赤ちゃん」の濃くてくどくて溜まってるエロスも実にむせる。噂に違わない世界観だった2012/10/24
AR読書記録
4
解説に「魔術的リアリズム」と見えたのと、そういえばノーベル文学賞...と思い出して読んでみましたが、そうか『紅いコーリャン』か。昔、中国映画にはまって張芸謀(『紅夢』! 大好き!)や陳凱歌(『黄色い大地』)を観ていた頃を思い出ししみじみ... ただ当時は背景(中国の近現代史)はわかっておらず、今観たらまた違う思いも出てくるだろう、と考えるとともに、現代中国でもこのような農村風景や心性が残るところがあるのだろうかどうかな...とかも、気になってくる。ともあれ映画の印象と読書の印象がものすごくぴったりで感激。2018/09/12
やぐ
0
◎濃密。夜遊神。2012/10/11
J_L_B_459
0
得体のしれない高密県の月がずっと浮かんでる。2012/12/21
tellme0112
0
世界観が面白い。農村社会を背景に、幻想的、官能的な面もある。いろんな要素を持っているなと。2012/11/17
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