内容説明
だいぶ山奥、お腹を空かせた紳士が二人。ちょうど目の前に西洋料理店「山猫軒」の看板があったので店に入ると、なぜか服を脱いだり、身体を念入りにお手入れしたり。なにやら怪しい気配が?―表題作に加え、名作『グスコーブドリの伝記』を収録。声優・宮野真守が紡ぐ『注文の多い料理店』名場面朗読CDを封入。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
大正7年、岩手県花巻に生まれる。花巻農学校で教鞭をとるかたわら、童話を書きはじめる。肺結核で病臥し、昭和8年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
จีนรัก
32
朗読CD目当てw 宮野真守さんが朗読しているということで買ったんだけど、なかなか宮野真守さんの声が面白かったw 途中で笑いそうになってしまって、申し訳ないです。宮野真守さんの声って時々面白い(笑)2014/07/16
りくう
12
これぞ童話、といった印象。1話1話読み進めるにつれて文章のむつかしさが変化して、ブドリを理解できるころには小学生高学年といった具合なので、本を読むのが好きで仕様がない小学校上がりたての子とかにいいかもしれませんね。2014/11/19
ハル
7
「序」の言葉の純粋さ。その素朴さに賢治の故郷への慈しみ、自然への感謝や感動や畏怖、そこでの人々の営みへのいとおしさを感じ取れる。すべての童話の終わりに再読し、それはなお強くなる。誰かに何かを伝えるため創造したというより、本当に風や月や鳥たちに教えてもらったお話を認めただけ、そんな気がして仕方ない。壮大な宇宙にある自分はささやかな存在。けれども、こんなに美しく不思議の星に生かされる喜びと、清らかな願いを抱いている。その思いを風に乗せるような、理想の姿を星に祈るような、宛先のない手紙みたいな文章だ。2020/06/28
那由多
7
(朗読CDは聴いてないので、本の感想だけ)宮沢賢治らしい方言と擬音の多用が、素朴な風景を表しててのんびりゆったりした心持ちになれる。『鹿踊りのはじまり』の鹿の描写は本当に鹿がする動きそっくりで、イキイキとした動物の跳躍や用心深さを想像でき可愛かった。2018/05/11
なつみかん
2
混じり気のない、純粋な日本語でした。今ではない少し昔ならではの表現にほっこりしました。一番好きなのは、鹿踊りのはじまり。昔の作品を改めて読むと言葉の使い方に、はっとさせられます。2015/11/29