内容説明
夢なら、道の真ん中の駝鳥の卵に、小さなひびが入ってもおかしくはない。夢なら、つるはし状の口嘴が、小さな破片を撤き散らしながら、突き出ても、おかしくはない。夢ならば、二つの小さな炎を眼の位置に点した、鳥とも獣ともつかないものが、ガラス片みたいな鉤爪のついた手で身体を支えながら、殻を抜け出してきても、おかしくはない。おれと眼が合っても。そいつは、ひと声鳴いた。学生探偵・伊達風興と異界の美青年との邂逅が、驚愕の妖異を招く。
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