洗脳の楽園―ヤマギシ会という悲劇 (新装版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 402p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784795847828
  • NDC分類 379.3
  • Cコード C0095

内容説明

対立や争いごとのない、金の要らない幸福な農村―ユートピア社会の実現をめざしたはずの共同体は、いかにして崩壊に至ったか。人間の脆さとノンフィクションの底力を証明した、色褪せぬ大宅賞候補作。

目次

プロローグ 僕なんか死ねばいいんだ
第1章 地上の楽園
第2章 脱走する子どもたち
第3章 交わることのない“二つの真実”
第4章 脳を洗う(四月二八日~二九日)
第5章 脳を洗う(四月三〇日~五月五日)
第6章 脳を洗った八十八人のその後
第7章 脳に浮かんだユートピア
第8章 「地上の楽園」の実態
第9章 ユートピアの終着点
第10章 ユートピアのゆくえ

著者等紹介

米本和広[ヨネモトカズヒロ]
1950年島根県生まれ。ルポライター。横浜市立大学卒業。「繊研新聞」記者を経て、フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

69
ある日学校で様子のおかしい生徒が見つかる、そんな内容で始まる。ヤマギシ会というコミュニティについて書かれた本だ。宗教ではなく日常生活を離れて特別講習研鑽会という合宿形式の研鑽会を通して楽しく幸せに暮らしていけるのが目的のようだ。その研鑽というのがどうやら洗脳の鍵となる言葉のようだ。この本だけで決めつけられないが以前読んだオウムやエホバの証人同様にこどもにとっては親の考えを押し付けられる点では同じだと感じた。またどのようにしてこの会に洗脳されていくのかは読みどころ。ただ途中から精神医学用語多数で疲れた。2016/09/29

hatayan

21
共同生活集団であるヤマギシ会から子どもが相次いで脱走する事案を受けて、ヤマギシを深く知るために会員が絶賛する「特別研鑽講習会(特講)」の受講を決意。7泊8日で脳の思考回路が確実に変化する様子をレポート。精神医学の知見をもとに、特講は強い洗脳であり、「解離状態を招く危険な快感セミナー」と規定、特講の先にはユートピア社会を実現しようとする野心が見え隠れすると警告します。 ヤマギシ会が金に貪欲であり、性に対して放埒とする内部事情にも言及。 身体を張った「特講」の体験記は一読の価値あり。再刊されることを望みます。2019/01/22

みなみ

20
読んでて鳥肌たつような思い。今まで信じていなかったことに、嵌ってストンと落ちていく感覚。そんな事は本当にあるのかなと思っていたけれど、目の前で見てしまったら‥‥。自分もどうなるかわからない、洗脳ってこわい。2019/05/03

ジョニーウォーカー

16
読友推薦本。すべてのものは誰のものでもないという「無所有一体」の理念のもと、農業・牧畜を基盤とした自給自足の社会の実現を目指す<ヤマギシ会>の闇に迫った戦慄のノンフィクション。「絶対にやめろ、文章が書けなくなる」元村人からの説得を振りきり、著者が七泊八日の特講に潜入したレポートは本当に鳥肌モノだった。「僕は死にます。弟だけは助けて(村から出して)やってください」自らの命まで犠牲にして弟を救おうとした幼い兄の遺書には涙が出た。このユートピアという名の地獄に、一刻も早く完全消滅の日が訪れることを祈る。2009/08/20

小鈴

8
ピーク時には大人・子供併せて五千人が住み、売上高2500億円、資産500億円を所有し、キブツを越える世界最大の共同体を形成したその事実に驚きを隠せない。ヤマギシとは、脳に浮かんだユートピアを現実化した社会、しかも「精神の統合が失われた状態」のときに浮かんだユートピアを現実化したのがヤマギシズム実顕地。解離状態にさせるのが特講で、解脱者(グル)はおらず洗脳を広めてイメージを共有化する!。そして上記規模まで拡大!読めば読むほどいろいろ考えさせられる。ありがちな告発本ではなかった。2009/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/562932
  • ご注意事項

最近チェックした商品