内容説明
サハリン(樺太)の南半分、台湾、韓国、北朝鮮、ミクロネシア(旧南洋群島)、それにくわえて中国東北部(旧満州)。明治の半ばから昭和二〇年の終戦前後までの時代、それらの国・地域は「大日本帝国」と称していた日本の統治下に置かれていたという共通項を持つ。戦後半世紀以上たった今日でも、古くからかつて日本の領土だったそれらの国・地域には、日本語、日本建築、鳥居、神社、日本精神、残された日本人…と、さまざまな形で日本統治時代の痕跡=「日本の足あと」が残っているのだった。僕は、大日本帝国の領土だった各地に「日本の足あと」を探す旅を始めた―。戦後60年目のいま日本の過去をたどる禁断の旅の記録。
目次
第1章 ロシアの鳥居―サハリン篇
第2章 山の中の敬礼―台湾篇
第3章 交差する感情―韓国篇
第4章 消せなかった橋―北朝鮮篇
第5章 見せしめの記念碑―中国東北部篇
第6章 十字架と鳥居―ミクロネシア篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
funuu
11
台湾高砂族ピナンさん。「アメリカは原爆を日本に二発落としました。ですがそれは日本の強さにアメリカが恐怖したからです。アメリカは卑怯なことに日本の持っていた原爆を盗んで落としたんです。本当は日本が勝っていたんです。」ここまでストレートにあの戦争をほうていする人にそれまであったことがなかったのだ。「朝鮮戦争」「ベトナム戦争」「湾岸戦争」「イラク戦争」ISからの宣戦布告。日本は、まだ、戦争の中なのではないのだろうか?2015/09/06
ステビア
10
ちょっとナイーブに過ぎるかなぁというのが正直な感想。2019/01/01
nnpusnsn1945
9
この本を読んだだけで植民地の事情が完全にわかるわけではないが、学者でない一般人の聞き取りからの視点は重要である。戦前を決して全肯定しているわけではないが、真面目な本では書かない話(中国の万人抗が観光化していること等)は大変貴重である。本書を切り口として植民地関係を学ぶのもよいであろう。2020/10/14
J.T.
7
自分もヤップ島で歩いているときに暗がりから「こんにちはー」と声をかけられた時は驚いた。アジアを旅する限り、どこへ行こうと過去の日本がついてくる。あるときフと、自分がこういった国々へ旅に出るのは、もしかしたら当地で死んだ兵隊さんたちに呼ばれているのかも....と思ったこともあるくらいの距離の「近さ」を第二次大戦に感じている。これからのち、戦争経験者の生々しさに触れることができなくなったとき、若者たちはどうしたら過去の戦争にリアリティを感じることができるようになるのだろう...と本書を読んで思った。2024/06/01
乱読家 護る会支持!
4
樺太、台湾、韓国、北朝鮮、旧満州、ミクロネシアとかつての大日本帝国の領土を訪問し、日本が作った建造物と現地の人々の日本への意識に触れる紀行文。ぜひぜひお読みください。★★★★★2013/02/27
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