内容説明
本書では、「マリア出現」の報告に基づき巡礼地が誕生する事象を説明し、そのプロセスを分析するためのひとつの方法として、「語り」を問題化する。そして、他の報告事例には見られないような個別性をそこに読み取る作業を進めるなかで、巡礼地の成立とともに、本書で取り上げる事例の今ひとつの特徴でもある、「マリア出現」を体験した女性が「聖女」として信仰されるようになる現象について、ひとつの説明を試みる。
目次
「マリア出現」と巡礼の人類学
マルタ島のギルゲンティGirgentiにおける「マリア出現Apparizzjoni tal‐Madonna」
ジュザの語り分析(神との変わりゆく関係性のなかでの自己構築;人々との変わりゆく関係性のなかでの“我々”構築;揺れ動く自己との関係性のなかでの“出来事”構築)
「太陽の超常現象」:構築され生成するリアリティ
著者等紹介
藤原久仁子[フジワラクニコ]
1970年、東京生まれ。お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学修了(博士・人文科学)。現在、関東学院大学キリスト教と文化研究所客員研究員。放送大学、法政大学、山梨学院大学非常勤講師。専攻は文化人類学
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