内容説明
「1999年、恐怖の大王が君臨する」との予言を残した中世の天才学者。彼の後継者を自称する組織は人々の恐怖を糧にして恐ろしい陰謀を開始した。そして偶然の出来事から書神の宿る書物を手にした、全く普通の女の子・文絵は彼らによって書主に選ばれる。文絵を巻き込み、世界の破滅を賭けた戦いが今、幕を開ける…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
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およそ十数年ぶりの再読。すでに過去の与太話となった感がある「ノストラダムスの大予言」ですが、刊行は平成十(一九九八)年六月。いましかないというタイミングの「大予言」テーマの一冊。書物に宿る霊「書神」を使って戦うというアイデアがまことに秀逸。劇中で開陳される「大予言」の解釈はシンプルながら、まさにこれしかないという説得力でした。本書はおよそ一年半の間に八冊刊行しただけで出版事業から撤退したサークル文庫の終了間際の一冊。不遇のままに埋もれさせておくにはたいへん惜しい、伝奇バトルの大傑作であります。星5つ。 2016/09/04