シリーズ・アジアからの贈りもの
もっとほんとうのこと―タゴール 寓話と短編

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  • サイズ B6判/ページ数 178p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784795265202
  • NDC分類 929.83
  • Cコード C0398

内容説明

孫娘のために書かれた最晩年の遺言的な表題作、樹と対話する「生命と心」、世界中で読まれてきた「カブールのひと」など、やさしい語り口のなかに豊かな叡智と癒しをひそませた10編を収録。

著者等紹介

タゴール,ラビンドラナート[タゴール,ラビンドラナート][Tagore,Rab ̄indran ̄ath]
1861年、インド西ベンガル州コルカタ(カルカッタ)に生まれた。1913年、英文詩集『ギーターンジャリ』によってノーベル文学賞を受賞した。アジアで最初のノーベル賞受賞である。受賞の対象となった同詩集は、母語であるベンガル語で著した同名の詩集を中心に、他の詩集から選んだ神秘的抒情詩を加え、それらをみずから英訳して編んだものであった。母語による同名の詩集を構成する詩の多くに、自身の作曲による旋律がつけられている。すなわちタゴールは、その生涯を通じて詩人であり、歌を作詞作曲する音楽家でもあった。同時に小説、戯曲を書き、さらに舞踊劇を創作し、哲学的思索家であり、教育的信念にもとづく学校をはじめた。第一義的に詩人であり、すべての活動は詩人の魂から発せられたといえる。晩年になるほど民衆のために思索をめぐらし、理想主義をつらぬく愛国的な詩を書き、独立運動の昂揚にあたえた影響ははかりしれない。1941年死去

内山真理子[ウチヤママリコ]
1949年山口県生まれ。日本女子大学文学部卒業。1972~73年インド西ベンガル州シャンティニケトンのビッショ・バロティ(タゴール国際大学)においてタゴールの思想を学ぶ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

荒野の狼

8
アジア人初のノーベル(文学)賞受賞作家タゴールの短編集。詩集の“ギタンジャリ”以外はほとんど邦訳が手に入りにくい作家なので、その意味で貴重です。内容は平易で、小学生からすすめられ、10編の短編は、それぞれ15分もあれば読むことが出来ます。世界的に読まれている”カブリワラ“が”カブールの人“の表題で収録されています。出典は3つの短編集から集めたもので、“もっとほんとうのこと“というオリジナルの短編集はなく、一つの短編の題名です。2008/02/22

ぷるぷる

6
初めてタゴールの世界に触れましたが短編を10編選んだ本書はなかなか初心者に適した本かもしれない。 インドの賢人、アジア人初のノーベル文学賞、インドとパキスタンの国家の作詞家… 肩書きだけでお腹いっぱいって感じで読みたいけれど後回しにしていたが大きな間違いでした。 宗教を超えて人々に愛されるタゴールの言葉(=知)は優しく柔らかく人懐こい。2008/07/30

ケイエム

5
タゴールの名は知っていたけど、物語集の存在を知って初読。「鳥の物語」の皮肉に心がチクリ。「非望」…ダージリンの幻想的な光景に引き込まれ、香気すら漂ってくる。物語に通底するタゴールの苦悩?というのか、侵略によって急激に変化するインドや英国への眼差し、変化の波にさまざまな形で飲み込まれてしまった郷愁とか、複雑に絡み合ったタゴールの想いが、この短い物語から感じられた。そして「カブールのひと」のミニちゃん。全編通じてスパッとは切れない生のかたちを柔らかく言葉に包んで見せてくれる。読みやすく綺麗な物語たち。2016/11/11

relaxopenenjoy

2
ベンガルの詩人の短編集。趣が異なる作品だから楽しく読めた。非望、カブールの人が良かった。ヤムナー河、ジャーンシーといった地名や、プージャ、ドゥルガ、バブジなどの言葉が、インドの文化や建物やヒンドゥの神々に惹きつけられていた数年前を懐かしく思い出させた。 ちょっとだけチェーホフやトルストイっぽい。2019/09/06

ミョウガ

1
ほんとうのことはいつだって目の前にあるはずだし、もっとほんとうのことは尚のこといつだって目の前にあるはず。空を見上げる。風を感じる。光を受ける。鳥の囀りをきく。刹那の中の永遠、歓び。 感情や事象の調和を思って目覚めた早朝。窓の外、金色を撒き散らし咲くギンヨウアカシア。2023/03/12

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