内容説明
賢治童話創世の神話。『銀河鉄道の夜』初期テキスト類の徹底的な読み込みにより明らかにされる、ジョバンニ少年の描かれざる心の闇。そこから新たな物語がはじまる。
目次
母なるもの、父なるものをめぐって
カムパネルラの〈父〉と《わが神》
ジョバンニ少年が求める神と死の王国
石炭袋・天上・ほんたうの天上をめぐって
ジョバンニ少年の現実還帰と心の闇
天上の母と現世の父とジョバンニ少年のその後
ジョバンニ少年の切符と自己欺瞞
修羅と回心
不完全な幻想第四次の銀河鉄道から完全な銀河鉄道へ
テキストの問題と〈空白の一行〉をめぐって〔ほか〕