内容説明
支那事変勃発以前に戦時造船所急造計画、戦時標準船量産計画を持っていた陸軍。昭和20年、日本の全汽船が陸軍船舶司令官の指揮下に入った。何故海軍ではなく陸軍なのか。陸軍は航空母艦や潜水艦を造り、特攻船艇を作戦に用いた。島国日本の宿命に根づくこの問題の答が本書にはある。
目次
第1章 陸軍と海運の慣習
第2章 舟艇のシステム化
第3章 支那時変以前の情勢
第4章 支那事変
第5章 支那事変下の状況
第6章 太平洋戦争開戦準備
第7章 緒戦の作戦
第8章 ミッドウェイ海戦以後
第9章 比島攻防戦
第10章 本土決戦準備
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ターレットファイターP.92提督
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日本陸軍と船舶のかかわり合いがはじまった台湾征討から敗戦までを、主に組織や装備の面から追った本。 試作・製造されたさまざまな小型船やそれらの改良、徴用船の武装などが図入りで紹介されていて興味深かった。2015/02/10
Job
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明治時代の発祥から太平洋戦争の終戦に至るまでの陸軍の海運についての話が記された本。兵器についても小は発動艇から大は上陸用舟艇母船まで、開発経過や戦場での運用など山ほどの情報の詰まった本です。2014/07/24
MK
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和歌山大学の図書館で見かけたので目を通してみたが、なかなか目新しい内容が多かった。 陸軍船舶と言えば徴用(御用)船の話題が多いが、揚陸艦や輸送艦の話題も捨て置けぬテーマだろう。 そういえば支那事変だけでも20回ほど大きな上陸作戦が行われている。(国粋主義者なので他の国のやったことはよく知らないが)わが帝国は米帝以上に上陸作戦を経験しているのではないだろうか。2018/03/15