内容説明
3大陸に4つの邸宅があり、往来は専用の自家用機。もちろん、宝石やオートクチュールはうなるほど持っている―スータナは信じられないほど、富裕な王家に生まれた、サウジアラビアの王女です。しかし実際には、スータナは黄金の鳥かごの中に、自由も何もなく、父親と夫、息子や国にとじこめられた囚人でもあるのです。
目次
幼年時代
家族
私の姉サラ
離婚
アリ
旅
旅の終焉
女友達たち
外国人の女たち
フダ
カレーム
結婚式〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
3
サウジアラビアの王女スータナ(仮名)の半生。厳格なイスラームの世界でいかに女性は虐げられているか訴えた本。残忍な夫に無理やり嫁がされたり、暴力を奮われたり、レイブされたら処刑されたりと読んでてぞっとしてくる。スータナは愛ある結婚をしたけれど夫が二人目の妻を持つことを決めたので離婚を決心する。とてもイキイキとしていてパワフル。ちょっと自己中心的だけどついつい引き込まれていく。よく知らないアラブの世界もかいま見えてそのお金持ちぶりに圧倒される。数万$の買い物をぽんぽんしてオイルマネーの凄さを感じる。2012/05/02
Viola
2
海外在住の友人から勧められ、Amazonの中古で入手。サウジの女性がこんなに虐げられ、自由のない人生を生きているとは。イスラム教はまともな世界宗教だと思っていたが、コーランを熱心に読んだ上で、信仰によってこんな非人間的なことが行なわれているなら、イスラム教とは何なのか、もしくは間違った解釈によるものなのか、知りたい気になる。物質的には裕福で贅沢な王族においても、女性はただの付属物であり自立する術がないことがショック。日本語訳はこなれていない部分も多いが、考えさせられる一冊だった。2017/07/07
barabara
2
中東諸国でもかなりの話題作だった本書は、残念ながら三部作のうちの一冊のみしか翻訳されていない。本文は多少杜撰な文体ではあるが、火の女スータナの燃えるような怒りは存分に感じられる。中東諸国からも忌み嫌われているサウジ、何か事を起こせばサウジの仕業ではないかと言われる、謎と理解不能な国である。今でも旅行者は女性は30代以上しか許されないし、着陸前から黒いアバヤを装着しなければいけない。王女でさえ姦通すれば衆人の前で死刑も厭わないが、高位の男が自家用ジェットで世界中の美女をあさるのは許されるのがこの国。⇒続2013/08/15
ねこ
1
話に引き込まれ一気に読んでしまいました。この本で書かれていることが本当に起こったことだと思うと複雑な気分です。ただこの本で書かれていることは、サウジの女性だけでなくまだまだ地球上の女性に対して行われてことでもあって、女性の問題ということを考える本でもあるのかなと思います。ただ彼女が今どうなったのかとても気になる所です。 2012/05/23
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